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対日直接投資(FDI)
対日直接投資(以下、FDI)は、海外投資家が日本国内の企業経営に実質的な影響を及ぼす投資を指します。投資といっても、株式のやり取り等だけでなく、FDIは資本投下によって現地で直接的に事業運営を行うことで利益の獲得を目指すことも含んでいます。近年では、クロスボーダーM&Aや、現地法人や子会社の設立など、その手法は広がりを見せています。FDI受け入れ国である日本のメリットは、海外からの高度な人材や豊富な資金を呼び込むことによる雇用の増加やイノベーション創出など多々ありますが、2024年時点では日本に向けたFDIは先進諸国の中では低水準にとどまっています。FDI加速化に向けて、内閣府は優先プログラムを策定し、2030年にFDI残高を100兆円とする目標を設定しております。このような施策を受け、FDIに関連する法整備は頻繁に改正が行われているため、今後益々、法律の専門家である弁護士のサポートが不可欠となっていくでしょう。
FDIの主な戦略としては、生産拠点と市場の物理的距離を短縮して輸送コストを削減する水平的外国直接投資と、人件費が低額な拠点で生産することによるコスト削減を目的とした垂直的外国直接投資が挙げられます。これらに加えて近年では、輸送コストと生産コストの両方を削減する目的で行われる、より複雑化したFDIも散見されます。弁護士法人ALGでは、FDIの目的や業種、その他経営戦略などを丁寧にヒアリングした上で、FDIによる経営戦略実現のサポートを行っております。当法人には、企業法務のみを取り扱う弁護士が多数在籍しており、様々な業種の企業案件に取り組んでおりますので、業界特有の商慣習等にも精通しております。海外拠点との連携も密に行っておりますので、連携先との協力が可能な範囲であれば、クロスボーダーM&AによるFDI案件も安心してご相談頂けます。
日本に対するFDIの制限として、外国為替及び外国貿易法(以下、外為法)の存在があります。外為法は健全な投資の促進と、国の安全に係わる技術の流出を防止することを目的としています。FDIでは、これらの制度を正しく理解し、適切に対応することも重要なポイントとなります。ケースによっては、財務省等への事前届出が必要となりますが、この届出には、投資家の属性等だけでなく、業種等の条件も関与しています。仮に、無届けで出資を実行した場合には、株式売却の行政命令が行われる可能性があるなど、海外投資家だけでなく、受け入れ会社にも大きな不利益が発生するおそれがあります。また、事前届出が不要なケースであっても、状況によっては事後報告書の提出義務が発生します。さらには、一定の基準を遵守することにより事前届出が免除されるなど、制度の全体像を理解することは容易ではありません。FDIの手法や諸条件を踏まえ、どのような対応が必要になるのかについては、FDIに精通する弁護士からのアドバイスを求めるべきでしょう。
届出制度の複雑性や、FDI手法の多様化、度重なる法改正、さらには業種ごとの慣習や独自の文化など、FDIには考慮するべきポイントが多く、そのことが参入障壁にもなっています。しかし、日本政府のFDI促進の動向からすれば、今後、FDIは経営戦略の一端として益々活性化することが予測されます。経営戦略にはグローバルな視点が必要とされる一方、その実行には綿密な調査と適法な対応が求められます。
また、日本国内への子会社設立などによって直接進出を行うにあたっては、日本における法人設立、日本国内で活動するための在留資格の取得、これらの前提となる本店や住居の確保、日本国内における口座開設、日本国内における事業活動における許認可取得の要否など、検討すべき事項は多岐にわたり、事前の検討が幅広く必要になることにも留意が必要となります。
弁護士法人ALGでは、企業法務に特化した部署を設立しており、幅広い日本国内の法令を対象とした支援の実績を有しております。また、タイに開設している拠点との連携やその他海外の法律事務所との提携関係も行っていますので、FDIの戦略から実施、日本国内における活動の準備、さらには国際的紛争となった場合にも対応が可能です。当法人では、FDIに関する予防法務から紛争対応までトータルサポートを可能としておりますので、FDIに対するリスクを最小化し、クライアント企業の事業拡大と利益の獲得に貢献することができます。
弁護士法人ALGが提供する、FDIに関する主なリーガルサービスは以下の通りです。
- 各種契約書の作成、リーガルチェック
- FDI戦略の相談、支援
- M&Aサポート、法務DD対応
- 紛争時の交渉、訴訟対応
- 制度や法改正に関する情報提供
- 日本国内への法人設立、事業活動開始に向けた相談、支援
- など
上記以外のご相談も対応しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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