いじめを許さない

大学生のいじめにはどう対処すべき?相談先や処分などを解説

大学生のいじめにはどう対処すべき?相談先や処分などを解説

監修
監修弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates執行役員

「いじめ」と聞くと小学生や中学生などの児童を想像するかもしれません。

しかし、大学生もいじめの被害に遭うことは多くあり、小・中・高校生とは異なる指導環境であるため、いじめが発覚しにくいという特徴があります。

大学でいじめに遭っている場合、おひとりで悩まず、相談窓口や信頼できる人に相談してください。状況によっては、警察や弁護士に相談することで適切に対処できる可能性が高まります。

この記事では、大学生のいじめの実態や内容、いじめに遭った場合の対処法などについて解説していきます。

大学生のいじめの実態・内容

大学生の間でも、いじめは決して珍しいものではありません。

小・中・高校のように「クラス」という固定された集団がない大学では、ゼミやサークル、部活動といった比較的自由な人間関係の中でいじめが発生する傾向があります。

さらに、大学生のいじめはSNSやメッセージアプリを通じて「ネットいじめ」に発展するケースも多く、投稿内容が拡散されやすいことから、被害が深刻化しやすいという特徴があります。

ゼミやサークルなどで起こりやすい

大学生でのいじめは、「ゼミ」「サークル」など、人間関係が密になる場所で発生する可能性が高くなります。

特にゼミやサークルは、小・中・高校生の「クラス」に近い面もあり、なじめずに孤立し、無視をされる・容姿をいじられるなどのいじめに発展する可能性もあります。

また、20歳になるとお酒が飲めるようになることから、無理やりお酒を飲ませるといった、お酒に関するいじめも発生します。

お酒は人によって飲める量もそれぞれですし、アルコールのアレルギーを持っている人もいます。

アナフィラキシーショックや急性アルコール中毒など、「死」につながる可能性もあるため、注意が必要です。

ネットいじめに発展しやすい

大学生では、ネットいじめの割合が高くなっています。

ネットいじめとは?

SNSやLINEのメッセージなど、ネット上で起こるいじめのことです。例として、以下のようなものが挙げられます。

  • SNS上で、誰かを傷つける言葉や嘘の情報を拡散させたり、恥ずかしい写真を投稿したりする
  • メッセージ上で誰かを傷つけたり脅迫するような内容を送る
  • 特定の人になりすまして、悪質なメッセージをほかの誰かに送る など

ネットいじめはインターネット上にいじめの記録が残り、誰でも閲覧できることから、悪質性が高いといえるでしょう。

大学でいじめに遭ったらどう対処すればよい?

大学でいじめに遭った場合、以下のような対処法を検討しましょう。

  • コミュニティを変える・大学以外のつながりを増やす
  • いじめの証拠を集める
  • 法的措置を検討する

いじめは、迅速に対応する必要があります。大学でのいじめに悩まれている方は、次項で解説する方法を実践してみてください。

コミュニティを変える・大学以外のつながりを増やす

大学でいじめを受けている場合は、関わる人や環境を変えるために、コミュニティを変えたり、大学外のつながりを増やしたりすることが有効です。

  • コミュニティを変える
    大学は通う人の規模も大きいため、いじめ被害を受けている場合は関わる人を変えてみましょう。
    サークルやゼミでいじめ被害を受けているのであれば、別のゼミやサークルに加入することで、いじめの原因から距離を取り、関係を断つことができます。
  • 大学以外のつながりを増やす
    他大学のサークルに入ったり、共通の趣味を持っている人と交流するのも良いでしょう。
    大学以外のつながりを増やすことによって精神的にも楽になり、いじめ被害から抜け出すことができる場合もあります。

いじめの証拠を集める

大学で受けたいじめ被害を解決に導くためには、客観的にみていじめがあったとわかる証拠を集めることが大切です。

証拠は、事実確認や加害者等との交渉の場だけでなく、損害賠償請求や刑事告訴などの法的措置の際にも役立ちます。

いじめの証拠の具体例

  • いじめ現場を撮影した写真・動画
  • いじめ現場を録音した音声データ
  • 壊されたり、汚されたりした物
  • 医師の診断書、ケガの写真
  • 誹謗中傷されたSNSやLINEのスクリーンショット
  • 被害者本人の日記
  • 第三者(大学内の友人など)の証言

法的措置を検討する

大学でいじめ被害を受けた場合は、民事訴訟(損害賠償請求)刑事告訴などの法的責任を追及できる可能性があります。

  • 民事訴訟(損害賠償請求)
    加害者等との間で示談交渉がまとまらない場合には、裁判所に民事訴訟を提起して慰謝料や治療費などの損害賠償を請求できます。裁判所は当事者双方の主張や主張を裏付ける証拠から、加害者等に損害賠償責任があるかどうかを判断します。
  • 刑事告訴
    いじめ被害が犯罪に該当する場合は、捜査機関に対して刑事告訴ができます。告訴状が受理されると、警察は捜査を開始して、書類または証拠物を検察官に送付する義務が発生するため、積極的な捜査を期待できるでしょう。

いじめの損害賠償請求や刑事告訴については、以下のページでも詳しく解説しています。ご参考ください。
いじめで損害賠償請求できる?
誰に何を請求できるのか・相場など

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まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います。

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大学でのいじめに悩んでいる場合の相談先

大学でいじめ被害を受けている場合は、おひとりで悩まずに以下の相談機関に相談してみましょう。

  • 大学の相談窓口
  • 公的機関の相談窓口
  • 警察
  • 弁護士

それぞれについて詳しく解説していきますので、ご自身に合った相談先を見つけてください。

大学の相談窓口

大学には学生相談室学生支援センターなど、相談窓口が設置されている場合がありますので、利用してみるのも良いでしょう。

こうした大学の相談窓口は、相談者の希望を聞いたうえで、ゼミの変更手続きやサークルへの対応をしてくれることがあります。

相談した内容が漏れることはありませんので、安心してください。

ただし、相談窓口がない大学もありますので、まずは通う大学のホームページや学生支援課などで確認することをおすすめします。

公的機関の相談窓口

大学内にいじめ相談窓口がない場合や、外部の人に相談したい場合には、以下のような相談窓口を活用しましょう。

なお、以下の相談窓口はすべて厚生労働省が認めている電話相談窓口です。

#いのちSOS 0120-061-338 24時間受付
※メール、SNS、チャット相談可
よりそいホットライン 0120-279-338 24時間受付
※FAX、SNS、チャット相談可
いのちの電話 0120-783-556 毎日16時~21時
全国のいのちの電話によって受付時間が異なります
こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 月曜~金曜18時半~22時半
※全国の窓口によって受付時間が異なります

警察

大学生のいじめの中には、犯罪行為に該当する悪質ないじめもあります。

以下のようないじめを受けた場合は、警察への相談を検討しましょう。

  • 殴られる、蹴られる、物を投げつけられるなどの暴力を受けた場合
  • サークル活動や飲み会の費用を過剰に請求されたり、借金を要求された場合
  • 飲酒を強要され、断ると暴言を受けた場合
  • SNS上でプライベートの情報を流出された場合
  • 性的行為を強要された場合 など

犯罪行為に該当するいじめを受けた場合は、刑事告訴することで加害者等に刑事責任を追及できる可能性があります。

犯罪行為に該当するいじめについては、以下のページで詳しく解説しています。ご参考ください。 いじめは犯罪にならないの?
法律で裁けない?被害者がとれる対処法

弁護士

いじめ問題は、弁護士に相談することでスムーズな解決が期待できます。

いじめ問題を弁護士に相談するメリット

  • 証拠集めのアドバイスがもらえる
    自力でいじめの証拠を集めるのは容易ではありません。弁護士に相談することで「何が証拠として必要なのか」「どういった方法で証拠を集めたらいいか」などのアドバイスをもらえます。
  • 加害者等との示談交渉を任せられる
    いじめ加害者等とのやり取りは精神的負担が多くかかります。弁護士に依頼することで、代理人として示談交渉を任せられ、スムーズな解決が期待できます。
  • 法的措置をとる場合の手続きをサポートしてもらえる
    損害賠償請求や刑事告訴などの法的措置には、法律の知識や経験が必要です。弁護士に任せることで、これらの手続きを適切に進めてもらうことができます。

なお、いじめ問題を弁護士に相談する際は、いじめ問題に詳しい弁護士を選ぶことが重要です。ホームページから、いじめ問題にどのくらい力を入れているかを確認しましょう。

いじめ問題で弁護士ができることについて、また、いじめの証拠がない場合については以下のページで詳しく解説しています。ご参考ください。 いじめ被害は弁護士に相談すべき?
メリットや費用などを解説
いじめの解決は証拠がないと難しい?
5つの対処法を解説

大学生のいじめで加害者を退学処分させることはできる?

大学ごとに定められた学則や学生懲戒規定があり、それに違反した場合は処分の対象となる可能性があります。

大学におけるいじめの対応は各大学によって異なりますが、いじめの防止や早期発見、被害者への対応、再発防止策を講じる必要があります。

被害者から大学へいじめの相談・報告があった場合には、大学側はいじめの調査をし、停学や退学など加害者等の処分を検討することになります。

加害者等の処分については大学側の判断になるため、必ずしも退学処分になるとは限らない点に注意が必要です。

また、いじめが犯罪行為に当たる場合には刑事上の処罰を受ける可能性もあります。

大学生のいじめ問題でお悩みの際は弁護士法人ALGへご相談ください

大学生のいじめは、小・中・高校生に比べて、より過激になる傾向があります。

どのようないじめでも、許されるべきではなく、被害者の方が「自分のせいでいじめに遭った」と自分を責める必要はありません。

いじめの被害に遭われた場合は、おひとりで悩まず、弁護士にご相談ください。

私たち弁護士法人ALGは、学校問題やいじめ問題に詳しい弁護士が在籍しております。被害者の方に寄り添い、迅速な解決を目指し尽力いたします。

いじめの問題は、まずは誰かに話して安心することが大切です。まずは一度、私たちにご相談ください。

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保有資格弁護士(愛知県弁護士会所属・登録番号:41560)

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