小学生の子供が学校でいじめに遭ったら…
保護者として加害者側や学校側に責任をとってほしいと思われるでしょう。しかし、いじめを早期に解決するためには、子供の話をよく聞き、冷静に対応することが重要です。
この記事では、小学生のいじめの内容や事例、いじめられている場合の対処法などについて解説していきます。ぜひご参考ください。
目次
文部科学省は、小・中・高等学校・特別支援学校を対象にした問題行動の調査結果を、令和6年10月に発表しました。
この調査によると、令和4年度の小学校のいじめ認知件数は55万1944件であったのに対し、令和5年度は58万8930件に増加しています。
また、小学校のいじめの態様別状況は、以下のような結果になりました。
この結果からも、小学生は、遊びの延長がいじめにつながっていることが分かります。
参考:令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要
令和5年度の文部科学省のデータによると、いじめを認知した学校の割合は以下のようになります。
このように、いじめは小学校が最も多く、学年でみると小学校2年生をピークに、学年が上がるにつれて減少していく傾向にあります。
小学校低学年では、「友達になりたいのにどう接していいかわからない」「一緒に遊びたいのにうまく伝えられない」など、言葉で自分の気持ちを表す「言語表現」が未熟だったり、日常生活の不満やストレスをうまく解消できないことがいじめの原因と考えられます。
小学生の子供が学校でいじめを受けている場合は、早期に対処する必要があります。まずは以下の対処法を検討してください。
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
まずは小学校に相談してみましょう。
相談する前は子供としっかり話し合い、学校に相談することやいじめ問題に親が入ることについて必ず同意を得ておくようにします。
その他にも、学校への相談は以下の点に注意が必要です。
また、いじめ防止対策推進法第23条により、学校には次のような義務が定められています。
そのため、いじめの被害を受けた場合には、学校へ事実確認およびいじめがあった場合には再発防止に向けた対応をとってもらうよう要請しましょう。
いじめ被害の状況を改善するためには、証拠が非常に重要です。
いじめを裏付ける客観的な証拠があれば、学校側もいじめ問題の対応に関して真摯に向き合うようになるでしょう。
損害賠償請求などをお考えの場合にも、いじめの証拠がそろっていれば被害者側の主張が認められやすくなります。
「いじめの証拠がない」「どのように集めたらいいのか」といったお悩みをお持ちの場合は、弁護士にご相談ください。
学校がいじめ問題に対応してくれない場合や、どんないじめがあったのか子供が話したがらない場合には、次のような「いじめ相談窓口」に相談することも有効です。
東京都いじめ相談ホットライン (東京都教育委員会) |
0120-53-8288 | 24時間受付 |
---|---|---|
子供の人権110番 (法務省) |
0120-007-110 | 朝8時30分~夕方5時15分まで (月曜日から金曜日まで) |
子供の人権SOS eメール (法務省) |
メールで相談 | 24時間受付 |
LINEじんけん相談 (法務省) |
LINEで相談 | 朝8時30分~夕方5時15分まで (月曜日から金曜日まで) |
24時間子供SOSダイヤル (文部科学省) |
0120-0-78310 | 24時間受付 |
小学生のいじめであっても、内容によっては刑事罰の対象となることがあります。
生命の危険や財産上の損害がある悪質ないじめの場合は、警察への相談・通報や被害届の提出も検討しましょう。
犯罪行為に該当するいじめと罪名には、以下のようなものがあります。
いじめ被害にどう対応すればいいかわからない」「小学校に相談しても対応してもらえない」
このようなお悩みをお持ちの場合は、弁護士に相談することで早期に解決できる可能性が高まります。
いじめ問題や学校問題に詳しい弁護士に相談することで、法的な観点から解決に向けたアドバイスをもらうことができます。
また、弁護士が代理人として学校側と交渉を行うことで、学校側がいじめ問題の対応を進めてくれる可能性があります。
弁護士は、学校側との交渉だけでなく、加害者側との示談交渉や証拠集めのアドバイス、損害賠償請求など、いじめ問題の全体をサポートすることが可能です。
小学生のいじめ問題にお悩みの場合は、一度弁護士にご相談ください。
いじめ問題を弁護士に相談するメリットについては、以下のページで詳しく解説しています。
さらに詳しくいじめ被害は弁護士に相談すべき? メリットや費用などを解説いじめの損害賠償請求については、以下のページで詳しく解説しています。
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小学校は義務教育であるため、加害者等に停学や退学などの処分を求めることは難しく、被害者が不登校や転校を余儀なくされるケースもあります。
しかし、いじめの被害者だけが登校できず、学習の機会が奪われてしまうのは、保護者として納得できるものではないでしょう。
ここからは、不登校になった場合の損害賠償や転校にかかった費用を学校側や加害者側に請求できるのか見ていきます。
いじめ被害により不登校になった場合は、学校側や加害者側に損害賠償を請求できます。
そもそも、「いじめ」は民法上の不法行為に該当し、不法行為を行った加害者は、被害者に対して損害を賠償する責任を負います(民法第709条)。
損害賠償として請求できるものはいじめの態様によってさまざまですが、「慰謝料」や「治療費」などがあります。
詳しい金額は、いじめの態様だけでなく不登校の期間なども考慮して判断されますが、「いじめによって不登校を余儀なくされた」という事実は損害賠償金の増額事由になり得ます。
いじめによる不登校については、以下のページで詳しく解説しています。
転校にかかった費用も学校側や加害者側に請求できる可能性があります。
ただし、転校や転居に要した費用は、いじめと転校・転居との間に相当因果関係があるかどうかについて慎重な判断が求められます。
加害者側は因果関係について争う姿勢を見せることが考えられ、転校・転居の必要性について厳密な証拠や立証が求められるでしょう。
また、転校先で使用する学用品や教材費についても、一定程度は損害賠償として認められることが多いです。
いじめ問題において、いじめた側に意識を向けるより、いじめられたわが子の気持ちにまず寄り添うことが大切です。
そのためにも、以下の注意点を押さえておきましょう。
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
小学生は、言語表現の力や対人関係の能力が未熟です。「友達になりたいだけなのにうまく伝えられない」「相手が嫌がっていることが分からない」と、友達との関係や問題の解決に悩むことが多くあります。
また、小学生の子供は「大好きなお母さん、お父さんにいじめられていると知られたくない」「お母さん、お父さんに嫌われたくない」という思いから、自分がいじめられていることを切り出せないことも多いです。
まずは、子供に絶対的な味方であることを伝え、子供が話しやすい雰囲気を作りましょう。
そのうえで、焦らずにゆっくりと心の中を整理できるよう、保護者がサポートすることが大切です。
子供は、保護者に理解されること、一緒に考えてもらうことを求めています。
「わが子がいじめられた」と怒りの気持ちもあるかと思いますが、まずは冷静に子供に寄り添ってあげてください。
小学生の子供から話を聞くことはとても大事ですが、自分に都合の良い点のみを話している可能性もあります。
そのため、まずは事実確認をして冷静に判断することが重要です。具体的には、担任教師に相談し、状況を確認しましょう。
そのうえで、客観的な視点から判断することが大切です。
相手の保護者に直接話をしに行くのは避けた方が良いでしょう。
小学生の子供に聞いた話だけを相手の保護者に伝えてしまうと、話がこじれて解決まで時間がかかってしまうおそれがあります。
また、いじめ加害者も小学生である以上、感情のコントロールが未熟であり、保護者同士で話をしてしまうことで、いじめが加速するケースもあります。
相手の保護者にいじめ問題について伝えたい場合は、担任教師やスクールカウンセラーなどの学校関係者を介してやり取りするようにしましょう。
小学生のいじめは、言語表現の未熟などが原因で起こるケースが多いです。しかし、いじめ被害を受けた子供はつらく悲しい気持ちになり、学校へ行くのが嫌になってしまうことも考えられます。
いじめ問題は、迅速な対応が求められます。大切なお子様がいじめ被害に遭われている場合は、私たち弁護士法人ALGにご相談ください。
私たちは、学校問題やいじめ問題について、学校側や加害者側との交渉、証拠集めのアドバイス、損害賠償請求の手続きなど、さまざまなサポートが可能です。
ご相談者様のお気持ちを優先に取り組んでいきますので、いじめ問題はお一人で悩まれず、まずは私たちにお話をお聞かせください。
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