赤ちゃんの反り返りの原因とは?発達障害や病気との関連、対処法など

代表執行役員 弁護士 金﨑 浩之

監修医学博士 弁護士 金﨑 浩之弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員 弁護士

赤ちゃんの反り返るような動きは、よく見られるものであり、問題のないことが多いです。

しかし、赤ちゃんにとって不快に感じるようなことがある場合や、脳性まひや発達障害等が原因となっている場合もあることから、慎重に観察する必要があります。

この記事では、赤ちゃんの反り返りについて、原因や対処法等を解説します。

赤ちゃんの反り返りとは?

赤ちゃん_反り返り

赤ちゃんの反り返りとは、主に赤ちゃんが全身を伸ばした状態で、背中を反らすような動きをすることです。

赤ちゃんが横になっているときや、親に抱っこされているとき等に反り返ることが多いでしょう。

赤ちゃんが反り返る理由は、まだはっきりとはわかっていません。

しかし、何らかの不快感を表しているケースや、身体を動かしたいと思っているケース等があると考えられます。

多くの場合には、全く問題なかったり、不快感の原因を取り除くだけで反り返らなくなったりします。

しかし、反り返り以外にも異常がある場合には注意が必要となります。

赤ちゃんの反り返りの原因

赤ちゃんの反り返りの原因として考えられることとして、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 不快だと意思表示をしている
  • 身体を動かしている
  • 脳性まひや発達障害がある

これらの原因について、次項より解説します。

不快だと意思表示をしている

赤ちゃんは言葉で気持ちを伝えることができないため、身体の動きや泣き方などで不快感を表現します。

そのひとつが「反り返り」です。反り返ることで、「今の状態が嫌だ」「何かが不快だ」と意思表示している可能性があります。

具体的には、以下のような場面で反り返ることがあります。

  • 抱っこされたときの姿勢がしっくりこない
  • 服の素材が肌に合わず、チクチクして不快に感じている
  • 暑さや寒さなど、室温が合っていない
  • お腹がいっぱいで、食事をしたくない
  • 眠いのに寝かせてもらえない、または寝かしつけの方法が合わない
  • 動きを制限されて自由に動けないことへのストレス

このような反り返りは、赤ちゃんが自分の感覚に対して敏感に反応している証拠でもあります。

まずは赤ちゃんの様子をよく観察し、環境や接し方を見直すことで、反り返りが落ち着くこともあります。

身体を動かしている

赤ちゃんは成長の過程で、少しずつ自分の意思で身体を動かすようになります。

特に生後2〜4ヶ月頃になると、首や背中の筋肉が発達し始め、寝返りや手足をバタバタさせるなどの動きが見られるようになります。

このような運動の一環として、背中を反らすような「反り返り」の動きが出ることがあります。

反り返りは、赤ちゃんが「動きたい」「姿勢を変えたい」といった欲求を表していることもあり、必ずしも異常ではありません。

むしろ、筋肉や神経の発達が順調に進んでいるサインである場合もあります。

ただし、反り返りの頻度が極端に多かったり、他の発達の遅れが見られる場合には、注意が必要です。

脳性まひや発達障害がある

赤ちゃんの反り返りが、脳性まひや発達障害などの病気や障害によって起こる可能性もあります。

これらは、脳の発達や神経の働きに何らかの問題があることで、身体の動きに異常が現れることがあるためです。

これらの原因について、次項より解説します。

脳性まひ

脳性まひとは、受胎から生後4週間までの間に、何らかの原因によって脳が損傷を受け、身体が不自由になる後遺症です。

脳性まひになった赤ちゃんが反り返るのは、本人の意思とは関係なく身体が動いてしまうからだと考えられます。

赤ちゃんの反り返りが脳性まひによるものかどうかは、他の特徴的な症状があるかを観察して判断します。

例えば、母乳やミルクでむせやすいことや、なかなか首が座らないこと等が挙げられます。

自閉症(自閉スペクトラム症)

自閉症(自閉スペクトラム症)とは、発達障害の一種であり、対人関係に困難を伴うことや強いこだわりがあること等が特徴です。

原因は完全には解明されていないものの、先天的な脳の特性によって引き起こされると考えられています。

自閉スペクトラム症の赤ちゃんが反り返りやすいのは、感覚過敏を伴うケースが多いからです。

皮膚の感覚が過敏であれば、肌触りや力加減などを嫌がることが多くなります。また、音や臭い等を嫌がることもあります。

赤ちゃんに、反り返り以外にも、以下のような症状があったら注意が必要です。

  • なかなか目が合わない
  • 色々な反応が乏しい
  • あまり泣いたり、笑ったりしない
  • 抱っこを嫌がる
  • なかなか寝ない

赤ちゃんの反り返りで危険な場合の見分け方

赤ちゃんの反り返りは成長の一環として自然なこともありますが、場合によっては病気や障害のサインである可能性もあります。

特に、以下のような症状が見られる場合には注意が必要です。

  • 強く反り返ったまま、長時間その姿勢を保っている
  • 手足の動きがぎこちなく、震えるような様子がある
  • 首がなかなかすわらない
  • 母乳やミルクを飲む際にむせることが多い
  • 何度も反り返りを繰り返す
  • 目が合いにくい、笑顔が少ないなど、コミュニケーションが取りづらい

これらの症状が続く場合は、発達の遅れや神経系の異常が関係している可能性もあるため、早めに小児科や専門医に相談することが大切です。

赤ちゃんの反り返りへの対処法

赤ちゃんが反り返る場合には、不快だと感じている原因を取り除くことによって反り返らなくなる可能性があります。

そのため、主に以下のようなことを試してみましょう。

  • 背中等の汗を拭いてから、服を取り替える
  • 抱っこをすると反り返る場合には、抱っこの仕方を変える
  • 抱っこする人の服を変える
  • 寝かせる場所やシーツ等を変える

様々なことを試しても反り返りが続くケース等では、医療機関を受診することを検討する必要があるでしょう。

病院で行われる治療方法

赤ちゃんが、脳性まひの影響によって筋肉の緊張等が発生し、反り返っている場合には、薬物療法などの治療や手術、リハビリテーション等を検討します。

完全に治すことはできませんが、早期に対応を開始することによって症状を改善しやすくなります。

また、発達障害の影響によって反り返っている場合には、発達障害そのものを完治させる方法はないため、行動療法や感覚統合訓練などによって、なるべく日常生活で困らないようにします。

また、精神症状や問題行動が出現するケース等では、薬物治療を行うこともあります。

赤ちゃんの反り返りに関して医療過誤が疑われる場合

赤ちゃんの反り返りの原因が脳性まひである場合、脳性まひになった原因が医療過誤によるものであった可能性があります。

原因不明とされてしまうおそれもありますが、医療過誤が原因であれば、損害賠償請求を行うことができる可能性があります。

脳性まひの原因となる医療過誤として、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 早産のリスクを見落として、実際に早産になってしまった
  • 臍帯巻絡や臍帯脱出等によって、赤ちゃんが酸欠になっているのを見落とした
  • 常位胎盤早期剥離を発症しているのを見落とした
  • 子宮収縮薬を、定められた量よりも多く投与した
  • 赤ちゃんがミルクを吐いてしまい、喉に詰まらせてしまったのに気づかなかった
弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員 医学博士 弁護士 金﨑 浩之
監修:医学博士 弁護士 金﨑 浩之弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員
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