クレジットカードの不正利用で逮捕される?刑罰や対処法などを解説
クレジットカードを不正利用した人は、逮捕や勾留される可能性があります。不正利用したクレジットカード会社や警察の捜査によって、犯人が特定されて逮捕に至るケースは、決して少なくありません。
そうなれば、起訴の可能性が高まり、刑罰を受けるおそれがあります。
この記事では、クレジットカードの不正利用に着目し、不正利用で成立する罪や不正利用をしてしまった場合の対処法などについて、詳しく解説していきます。
目次
クレジットカードの不正利用で逮捕される可能性はある?
クレジットカードの不正利用でも、警察が犯人を特定して「逃亡や証拠隠滅のおそれがある」と判断すれば、逮捕される可能性があります。
クレジットカードの不正利用で逮捕されやすいケースには、以下のような場合が挙げられます。
- 不正利用の金額が高額である場合
- 短期間に繰り返し不正利用している場合
- 明らかな悪質性が認められる場合 など
明らかな悪質性には、「高額かつ計画的な被害」や「偽造カードの作成・海外利用」などが該当します。高額な商品の購入に加えて、偽名を使用するなどの悪質な計画性が認められると、逮捕される可能性が高まります。
また、組織犯罪の可能性が考えられる場合にも、証拠隠滅を防ぐために逮捕されやすいです。
クレジットカードの不正利用は何罪になる?
クレジットカードの不正利用は、不正利用の内容に応じて、複数の罪に問われる可能性があります。
問われる可能性のある罪は、主に以下のとおりです。
- 詐欺罪
- 窃盗罪
- 占有離脱物横領罪
- 遺失物横領罪
- 支払用カード電磁的記録不正作出罪
- 電子計算機使用詐欺罪
以下では、どのような場合に何罪に問われるのかについて、詳しく解説していきます。
不正に取得したカードを利用した場合は「詐欺罪」
他人名義のクレジットカードを使用すると、詐欺罪が成立します。
詐欺罪は、刑法246条に定められており、人を欺いて財物を交付させた者に成立する罪です。
この罪を犯した者は、10年以下の拘禁刑に処されます。
他人名義のクレジットカードを利用する行為は、「名義人と利用者が同一」という重要な事実を偽り、商品やサービスを受け取る行為であるため、詐欺罪が成立します。
たとえ名義人から利用の許可を得ていたとしても、誤信を誘う限り、詐欺罪が成立する可能性があります。
他人からカードを盗んだ場合は「窃盗罪」
クレジットカードそのものは財物であるため、他人からクレジットカードを盗むことは、窃盗罪に該当する行為です。
そのため、盗んだカードを使用すると、窃盗罪と詐欺罪が成立することになり、単なるカードの不正使用よりも罪が重くなります。
窃盗罪は、刑法235条に定められており、他人の財物を窃取した者に成立する罪です。
この罪を犯した者は、10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処されます。
窃盗罪の構成要件や刑事処分については、以下のページをご覧ください。
窃盗罪とは?落ちているカードを拾って所有した場合は「遺失物横領罪」
落ちている他人のクレジットカードを拾って、自分のものにしてしまうと、遺失物横領罪に問われる可能性があります。
遺失物横領罪は刑法254条で定められており、持ち主の手を離れた他人の物を、勝手に自分のものとする行為に適用されます。こうした行為は「占有離脱物横領罪」と呼ばれることもあります。
遺失物横領罪が成立すると、1年以下の懲役または10万円以下の罰金、もしくは科料が科されることがあります。
スキミングをした場合は「支払用カード電磁的記録不正作出罪」
スキミングをすると、支払用カード電磁的記録不正作出罪に問われる可能性があります。
スキミングとは、他人のクレジットカードやキャッシュカードの磁気ストライプから、カード情報を不正に読み取る行為です。
盗んだ情報を使って偽造カードを作成すると、支払用カード電磁的記録不正作出罪が成立します。法定刑は10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。
なお、情報を読み取っただけの場合は「支払用カード電磁的記録情報取得罪」にあたり、偽造カードを作った時点で「不正作出罪」が成立します。
カード情報をインターネットで利用した場合は「電子計算機使用詐欺罪」
他人のクレジットカード情報を不正に入手して無断使用した者には、電子計算機使用詐欺罪が成立するおそれがあります。
電子計算機使用詐欺罪は、PCやスマートフォンなどのコンピューターに虚偽の情報を入力して、財産上の利益を得る行為です。
たとえば、他人のクレジットカード情報を不正に入手し、通販サイトで商品を購入する行為が該当します。また、商品購入だけでなく、電子マネーをチャージする行為も該当するため、注意が必要です。
なお、罪が成立すれば、10年以下の拘禁刑に処される重罪ですので、刑事事件に詳しい弁護士への相談をおすすめします。
逮捕後72時間以内の弁護活動が運命を左右します
刑事弁護に強い弁護士が迅速に対応いたします。
逮捕直後から勾留決定までは弁護士のみが面会・接見できます。ご家族でも面会できません。
クレジットカードの不正利用はどうやってバレる?
クレジットカードの不正利用は、カード会社や決済システムによる自動検知と名義人による確認で発覚するケースが多いです。
カード会社や決済システムによる自動検知
銀行やカード会社は、AIや機械学習などを搭載したリアルタイム監視システムを運用しており、不審な利用があるとすぐにフラグが立ちます。不審な取引があれば、カード会社から名義人に即時通知が送信され、これにより本人の確認が入り、不正利用が発覚します。
名義人による確認
名義人がカードの利用明細を確認することで、不正利用が発覚します。
上記の他にも、漏洩事件から不正利用が発覚するケースや、警察による捜査で発覚するケースなどがあります。クレジットカードの不正利用は、割とすぐにバレます。
クレジットカードの不正利用にあたるおそれがある行為
カード名義人の許可を得て使用した
クレジットカードの名義人から利用の許可を得ていても、名義人とは異なる者が利用した時点で、その行為は不正利用に該当します。カード会社の規約上でも、名義人ではない者のカード利用は禁止されています。
カードの利用は、「名義人の信用力」に基づいて成り立っているからです。
また、判例においても、カードを不正に使用した者が、カード名義人から使用を許されており、かつ、自らの使用に係る同カードの利用代金が、会員規約に従い名義人において決済されるものと誤信していたとしても、詐欺罪の成立は左右されないとしています(最高裁 平成16年2月9日第2小法廷判決)。
家族のカードを勝手に使った
クレジットカード名義人の家族が不正にカードを使用した場合、詐欺罪が成立するおそれがあります。
近年では、子供が親のカードを勝手に使い、オンラインゲームやネットショッピング等の支払いを行ってしまうトラブルが増えているといわれています。
また、浪費癖のある親が、子のカードを勝手に使ってしまうケースも発生しています。
どちらの場合でも、カード名義人以外の者がカードを使用していることに変わりはなく、詐欺罪の構成要件を満たす可能性があります。
クレジットカードの不正利用で逮捕された後の流れ
クレジットカードの不正利用で逮捕された場合、以下のような流れで手続きが進んでいきます。
- 1.逮捕
警察から取り調べを受け、逮捕後48時間以内に事件の資料と身柄が検察に引き継がれます。
その後は、検察から取り調べを受け、引き継がれてから24時間以内に検察官によって勾留請求を行うかどうかの判断が下されます。 - 2.勾留
検察官が「引き続き身柄を拘束する必要がある」と判断すると、裁判官に対して勾留請求がなされます。裁判官がこれを認めると、まず10日間の勾留が行われ、必要に応じてさらに10日間勾留が延長されます。 - 3.起訴・不起訴の決定
検察官は、勾留が終了するまでに起訴・不起訴の決定を下します。 - 4.刑事裁判
検察官が起訴すると、刑事裁判が開かれます。 - 5.判決
刑事裁判が進むと、裁判官から有罪・無罪の判決が下されます。
逮捕された時の流れを図で詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
逮捕された時の流れクレジットカードを不正利用してしまった場合の対処法
他人のクレジットカードを不正利用してしまった場合は、以下の対処法を検討する必要があります。
- 弁護士に依頼する
- 自首をする
- 被害者と示談交渉する
上記の対処法をどれだけ早く行えるかによって、刑事処分の結果が左右されます。
弁護士に依頼する
クレジットカードの不正利用について弁護士に依頼すると、次のような弁護活動を行ってもらえます。
- 自首に同行してもらえる
- 逮捕直後から接見(面会)できるため、早期段階から弁護方針を構築できる
- 捜査機関からの取り調べに対する対応の仕方について、アドバイスをもらえる
- 不起訴処分や執行猶予付き判決の獲得に向けた弁護活動を行ってもらえる
- 有利な情状となる事情の主張・立証のために、有効な証拠を収集してもらえる
- 起訴された場合は、保釈請求の手続きを行ってもらえる など
刑事事件は、初動とスピード感をもった弁護活動が刑事処分の判断に大きな影響を与えます。そのため、不当な逮捕や勾留、不起訴処分の獲得を目指したい場合は、なるべく早めに弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士への依頼は、早ければ早いほど弁護士の活動範囲が広まり、充実した法的サポートを受けられます。弁護士を選ぶ際は、刑事事件に詳しい弁護士かどうかという点を重視しましょう。
自首をする
刑事事件では、自首によって逮捕を避けられたり、刑が軽くなったりする可能性があります。
自首とは、警察や検察がまだ事件の発生や犯人を特定していない段階で、自分から犯罪事実を申告する行為です。刑法第42条には、自首した場合に刑が減刑される可能性があると定められています。
自首のメリットは、減刑だけではありません。逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断されやすくなり、被害者との示談交渉にもプラスに働くことがあります。
ただし、自首をすれば必ず刑が軽くなるわけではなく、最終的な判断は裁判官の裁量に委ねられますので注意が必要です。
被害者と示談交渉する
被害者との示談成立は、有利な情状として考慮されやすく、逮捕回避や不起訴処分の獲得に大きく近づけます。
クレジットカードの不正利用の被害者は、主にカード会社です。
カードの名義人が被害者だと勘違いされる方が多いですが、名義人本人はカード会社から補償を受けられるため、実質的な金銭的損失は基本的にありません。
不正利用の決済代金は、最終的にカード会社が加盟店に立て替え払いを行うため、金銭的損失があるのはカード会社となります。
示談交渉は、カード会社に対して深い謝罪と示談金の支払いを行い、進めていきます。示談成立できれば、事件は解決の方向へ進む可能性が高くなりますが、決して容易なことではありません。
成立させるには、法律の専門家である弁護士に相談する必要があります。
クレジットカードを不正利用してしまった場合は早急に弁護士へご相談ください
他人のクレジットカードを不正利用する行為は、さまざまな罪に問われる可能性のある犯罪行為です。
軽い気持ちで利用すれば「詐欺罪」が、クレジットカードを盗めば「窃盗罪」が成立します。また、落ちているクレジットカードを拾って所有していても、「遺失物横領罪(占有離脱物横領罪)」に問われる可能性があり、注意しなければなりません。
クレジットカードの不正利用で起訴されれば、重い刑罰が科せられます。逮捕や起訴されないためにどうすれば良いのか分からない方は、弁護士にご相談ください。
刑事事件の経験が豊富な弁護士であれば、これまでのノウハウを活かし、法的な観点から適切なアドバイスを行えます。
クレジットカードの不正利用でお悩みの方は、ぜひお気軽に弁護士法人ALGにご相談ください。
