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交通事故による骨折などが原因で、関節の動きが悪くなったり、痛みが続いたりすると、人工関節置換手術が必要になる場合があります。
人工関節を入れると、関節への負担や脱臼を防ぐために動作が制限され、事故前と同じような生活を送るのが難しくなることもあります。
そのため、人工関節置換を受けた方は、後遺障害等級が認定される可能性があります。
このページでは、人工関節置換に関連する後遺障害等級や慰謝料、損害賠償の内容について、わかりやすくご紹介します。
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8級7号
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目次
人工関節置換術とは、ケガや病気で関節がうまく動かなくなったときに、壊れた部分を取り除いて人工の関節に置き換える手術です。
関節リウマチや外傷などにより肩・肘・手・股関節・膝・足関節に障害が生じた際、最終的な根治療法として用いられます。
交通事故においては、下表のような重度の骨折や関節損傷が原因で、人工関節置換術が必要となることがあります。
| 上肢 | 肩 | 上腕骨骨頭壊死、肩腱板損傷 など |
|---|---|---|
| 肘 | 変形性肘関節症、上腕骨遠位端粉砕骨折 など | |
| 手 | 変形性手関節 など | |
| 下肢 | 股 | 変形性股関節症、大腿骨骨頭壊死 など |
| 膝 | 変形性膝関節症、大腿骨顆部骨壊死、半月板損傷 など | |
| 足 | 変形性足関節症 など |
特に大腿骨の骨折や膝関節内骨折は、交通事故による衝撃で発生しやすく、骨頭の壊死や関節の変形が進行すると、人工関節置換術が選択されることがあります。
人工関節置換を受けた後は、日常生活において一定の動作や運動を控える必要があります。
これは、人工関節が脱臼したり、摩耗やゆるみが生じたりするリスクがあるためです。
人工関節は金属やセラミック、ポリエチレンなどの素材で作られており、一般的な耐用年数は15~30年程度とされています。
しかし、無理な動きや過度な負荷がかかると、関節が傷んで再手術が必要になることもあります。
そのため、人工関節に過度な負担をかけないよう、日常生活では注意が求められ、特定の動作は避けることが推奨されます。
交通事故による怪我が原因で上肢の関節(肩・肘・手)や下肢の関節(股・膝・足)に人工関節置換を受けた場合、それだけで10級の後遺障害等級が認定されます。
◆後遺障害等級とは?
後遺障害等級とは、事故の怪我が治療を尽くしても完治せずに残った、痛みやしびれ、可動域制限などの後遺症の程度・重さに応じて認定される等級のことで、1級~14級に分類されています。
痛みや可動域制限などの症状がなくても、日常生活行動が制限されることや、将来的に人工関節の機能が低下する可能性があることから、人工関節置換を受けただけでも10級が認定されます。
また、手術後に神経症状や可動域制限などが残った場合には、それぞれの症状に応じて後遺障害等級が認められる可能性があります。
下肢3大関節と呼ばれる、股・膝・足の人工関節置換を受けただけの場合は後遺障害等級10級が、その可動域が通常の1/2以下になった場合は8級が認定されます。
なお、股・膝・足のいずれか2つの関節に人工関節置換が行われ、どちらの関節も可動域が通常の1/2以下になった場合には6級が認定されます。
また、それ以上に可動域制限が生じたり、ほかの下肢の関節に障害が残ったりした場合には、1級・5級が認定される可能性もあります。
| 等級 | 障害の内容 |
|---|---|
| 1級6号 | 両下肢の用を全廃したもの |
| 5級7号 | 1下肢の用を全廃したもの |
| 6級7号 | 1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの |
| 8級7号 | 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの |
| 10級11号 | 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの |
◆用を全廃したもの
股・膝・足の下肢3大関節のすべての関節がまったく動かない、またはこれに近い状態を指します。3大関節のほか、足指全部が動かない状態も含まれます。
◆用を廃したもの
用を廃したものとは、次のいずれかに該当するものを指します。
◆機能に著しい障害を残すもの
機能に著しい障害を残すものとは、次のいずれかに該当するものを指します。
上肢3大関節と呼ばれる、肩・肘・手の人工関節置換を受けた場合は後遺障害等級10級が、その可動域が通常の1/2以下になった場合には6級や8級が認定されます。
| 等級 | 障害の内容 |
|---|---|
| 6級6号 | 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの |
| 8級6号 | 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの |
| 10級10号 | 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの |
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交通事故で人工関節置換を受けた場合、損害に応じてさまざまな損害賠償金を加害者に請求できます。
以下、代表的なものを4つ紹介していきます。
交通事故による人工関節置換を受けたことで生じた肉体的・精神的苦痛に対して、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の2種類の慰謝料を加害者へ請求できます。
入通院慰謝料は、交通事故の怪我で入院・通院した場合に請求できる慰謝料です。
適用する算定基準や、入通院期間や実通院日数をもとに慰謝料の金額が決まります。
後遺障害慰謝料は、交通事故の後遺症が後遺障害等級認定された場合に請求できる慰謝料です。
適用する算定基準や、認定された後遺障害等級をもとに慰謝料の金額が決まります。
人工関節置換を受けた場合の後遺障害慰謝料の相場は次のとおりです。
| 等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
|---|---|---|
| 1級 | 1150万円 | 2800万円 |
| 5級 | 618万円 | 1400万円 |
| 6級 | 512万円 | 1180万円 |
| 8級 | 331万円 | 830万円 |
| 10級 | 190万円 | 550万円 |
人工関節置換の手術や入院、リハビリにかかった費用は、交通事故による怪我の治療費とともに加害者へ請求できます。
人工関節置換を受けた場合は入院に2~3週間程度かかるといわれていて、入通院期間が長くなると治療費の負担が増えるので、忘れずに請求しましょう。
交通事故で人工関節置換を受けて後遺障害等級が認定されると、後遺障害逸失利益を請求することができます。
後遺障害逸失利益とは、後遺障害がなければ得られたはずの将来の収入に対する補償です。
事故前の収入や年齢・職業・将来性や、後遺障害によって失われた労働能力の程度を考慮して金額が決まります。
交通事故による怪我の治療で仕事を休んだ場合は、休業損害を請求することができます。
休業損害とは、事故の怪我で休業を余儀なくされ、減ってしまった収入に対する補償です。
医師に完治または症状固定と診断されるまでの間の減収分を請求できます。
なお、実際に収入を得ていない専業主婦や学生、無職の方も請求できる可能性があります。
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交通事故で人工関節置換を受けた場合、人工関節置換ならではの損害賠償請求の難しさがあります。
そこで、人工関節置換を受けた場合に、弁護士へ依頼することで得られるメリットをご紹介します。
人工関節の手術を受けた場合の症状固定の目安は、一般的に術後6ヶ月〜1年程度とされることが多いです。
ただし、個人差があるので目安よりも長期に及ぶ場合もあります。
部位ごとの症状固定の目安や判断基準を表にまとめましたので、ご参考ください。
| 部位 | 症状固定の目安 | 主な判断基準 |
|---|---|---|
| 股関節 | 6ヶ月~1年半 |
|
| 膝関節 | 6ヶ月~1年 |
|
| 肩関節 | 6ヶ月~1年 |
|
| 肘・手関節 | 6ヶ月~1年 |
|
人工関節の再手術にかかる費用は、将来的に高い確率で必要になると医学的に認められる場合には、加害者に対して損害賠償を請求できる可能性があります。
このような費用は「将来の治療費」として扱われ、損害賠償の対象になることがあります。
ただし、請求が認められるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
人工関節置換術を受けただけでは、身体障害者手帳は交付されません。
身体障害者手帳は、身体機能に永続的な障害があり、かつ日常生活に著しい制限があると認められた場合に交付されます。
これにより、医療費助成や税金の軽減などの支援が受けられます。
以前は人工関節置換術を受けた方に一律で4級が認定されていましたが、2014年4月の制度改正により、術後の経過が安定した時点での関節可動域や筋力などの機能障害に基づいて、4級・5級・7級に認定された場合に限り、手帳の交付対象となります。
ただし、7級のみでは身体障害者手帳の交付対象とはなりません。
交通事故による怪我が原因で、後に変形性関節症を発症し、人工関節置換術が必要となった場合でも、事故との因果関係が証明できれば、加害者側に治療費や慰謝料などの損害賠償を請求できる可能性があります。
ただし、示談成立後に新たな症状が判明した場合は、請求が困難になることがあるため、早期に弁護士へ相談することが重要です。
また、慰謝料請求には時効があり、原則として症状固定日の翌日から5年以内に請求を行う必要があります。
時効を過ぎると請求が認められない可能性があるため、注意が必要です。
交通事故の怪我が原因で人工関節置換を受けた場合、加害者側から後遺障害や逸失利益を否定されるケースが少なくありません。
また、重度の骨折・脱臼では、事故後しばらく経ってから変形性関節症を発症し、人工関節置換が必要になるケースもあります。
このような理由から、人工関節置換に対する損害賠償請求は難航する傾向にあります。
交通事故によって人工関節置換の手術を受けた方も、これから手術を受ける予定の方も、適正な損害賠償金を受け取るために、ぜひ早めに弁護士法人ALGへご相談ください。
交通事故や後遺障害等級認定の問題に詳しい弁護士が、将来発生するであろう手術費用などの損害を含め、加害者へ適切に請求して、被害者の方の不安や負担が軽減できるように尽力いたします。
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