離婚調停とは?費用や流れなど事前に知っておきたい基礎知識

離婚を決意して、夫婦間で話し合いをしても一向に進展しない・・・、そもそも話し合いをしようとしても何かしらの口実を作って逃げて話し合いをしてくれない・・・など、夫婦間での話し合いで離婚について決着がつかない場合は、家庭裁判所に離婚調停の申立てを検討してみてください。
離婚調停は裁判官や調停委員を介して話し合いによる夫婦間の紛争を解決する手続きですので、夫婦だけでは解決できなかった問題も、スムーズに解決できて離婚の合意ができる可能性が高まります。
そこで本記事では、離婚調停を行うべきケースとタイミング、離婚調停の流れ、離婚調停を有利に進めるコツなど、「離婚調停」をテーマに詳しく解説していきます。
目次
離婚調停とは
離婚調停の正式名称は、夫婦関係調整調停(離婚)といいます。
夫婦間での話し合いで離婚について合意できなかった場合に、次のステップとして、家庭裁判所で裁判官と調停委員を交えて話し合いを行い、離婚について合意による解決を目指す手続きです。
離婚するかどうかだけでなく、離婚条件についても話し合いを行います。
離婚方法は、離婚調停のほかに、次の表のとおり、協議離婚、審判離婚、離婚裁判があります。
協議離婚 | 夫婦間の話し合い(協議)によって成立させる離婚 |
---|---|
調停離婚 | 調停で調停委員会を交えて話し合って成立させる離婚 |
審判離婚 | 調停でほぼ合意に至っているが、些細な内容で揉めている場合に、裁判官が判断をする“審判”による離婚 |
離婚裁判 | 調停不成立後に、離婚裁判を提起して、判決または和解によって成立させる離婚 |
離婚調停で話し合う内容
離婚調停は、離婚に関する様々な問題について話し合うことになります。
具体的には、次のような内容を話し合います。
- 離婚の可否
- 未成年の子供がいる場合は、以下のような子供に関すること
・親権
・養育費
・面会交流 - 財産分与
- 慰謝料(浮気・不倫やDVなどの不法行為がある場合)
- 年金分割
- 別居中の場合は婚姻費用(別途、婚姻費用分担請求調停の申立てが必要)
離婚調停を行うメリット
離婚調停を行うと多くのメリットがあります。
具体的には、次のようなものが挙げられます。
- 裁判官や調停委員を交えて話し合うので冷静かつスムーズに進められる
- 相手と直接話したり、顔を合わせたりしなくて済む
- DV・モラハラをする相手とでも安全に離婚を進められる
- 取り決める離婚条件の漏れを防げる
- 相手名義の財産に関する必要な情報を開示させることができる
- 調停が成立した際に作成される調停調書に強制執行力がある
- 法的に妥当な離婚条件(養育費や慰謝料の金額の相場、財産分与の分け方など)を知ることができる
離婚調停にかかる期間や回数の目安
家庭裁判所は平日の10時~17時の間に開廷されており、離婚調停の期日は、基本的に1ヶ月~1ヶ月半に1回程度のペースで開催されます。所要時間は1回につき、約2時間程度です。
調停期日の回数は平均的に2~4回程度で終了するケースが多く、期間としては3ヶ月~6ヶ月程度になります。
しかし、夫婦の個別の事情によって、一方が離婚するかどうか迷っていたり、離婚条件で激しく争っていたりする場合は1年以上かかる方もいらっしゃいます。
離婚調停にかかる費用
離婚調停にかかる費用は、以下の表のとおりです。これ以外にも必要な書類があれば、その資料の取得費用がかかる場合があります。
なお、郵便切手代については家庭裁判所によって異なるため、事前に問い合わせてください(各家庭裁判所のウェブサイトに記載されていることもあります)。
その際、「100円切手が2枚」というように細かく指定されるはずなので、早まって購入しないようにしましょう。
項目 | 金額 |
---|---|
収入印紙代 | 1200円分 |
郵便切手代 | 1000円程度 |
戸籍謄本発行手数料 | 450円 |
離婚調停を行うべきケース・タイミング
離婚調停を行うべきケースは具体的に次のような状況が挙げられます。
- 相手が離婚に応じない
- 相手が話し合い自体をしてくれない
- 離婚条件について折り合いがつかない
- 相手からDVやモラハラなどを受けており、身の危険が及ぶリスクがある
上記をみてわかるように、相手と2人で話し合うのが困難な場合や、2人で話し合っても離婚について合意できそうにないと判断できる場合が離婚調停を申し立てるタイミングだといえます。
協議離婚をするべきケース
離婚調停をせずに、夫婦間の話し合い、すなわち協議離婚をしたほうがいいケースもあります。
例えば、次のようなケースが挙げられます。
- 裁判上で認められる離婚理由(法定離婚事由)がないけど、離婚がしたいケース
- 離婚することに双方合意していて、財産分与、養育費、慰謝料などの金銭面で相場よりはるかに高い金額で合意できそうなケース
- 離婚することに双方合意していて、だいたいの離婚条件も合意できているけども、僅かな離婚条件で相違があって合意できていないケース
離婚調停の流れ
ここからは、離婚調停の流れについてご説明します。大まかな流れは以下のようになります。
- 離婚調停の申立て
- 第1回目の調停期日
- 第2回目以降の調停期日
- 離婚調停終了
それぞれの段階について順を追って説明していきます。
①離婚調停の申立て
離婚調停は、一般的には相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。夫婦が合意している場合は、それ以外の家庭裁判所に申し立てても構いません。
必要書類や収入印紙などをそろえたら、持参もしくは郵送で裁判所に提出します。郵送の場合は、追跡記録が確認できる簡易書留や一般書留を利用しましょう。
申立てが受理されると、1~2ヶ月後に第1回目の調停期日が指定され、申立人と相手方に調停期日通知書(呼出状)が届きます。この通知書が届くのは、申立てから2週間前後になります。
②第1回目の調停期日
調停当日は指定された時間に申立てをした家庭裁判所の家事書記官室に行き、受付をしたうえで、待合室に行きます。
待合室は、申立人と相手方はそれぞれ別室になっていますので、顔を合わさずに済みます。なお、当日必ず持参しなければならないものは以下の通りです。
- 調停期日通知書
- 印鑑
- 身分証明書(運転免許証、パスポートなど)
調停期日は、申立人と相手方が交互に調停委員に呼び出されて、裁判官と調停委員に離婚に関しての意見や希望、相手の意見への反論などを伝えて進めていきます。
1回目の調停期日に調停員から提示された調停案で合意ができれば調停成立となりますが、合意できない場合は第2回目の調停期日が設定されます。
一度の調停期日に要する時間は大体2時間、長くても3時間程度です。
申立人・相手方が交互に呼び出される
待合室で待機していると、調停委員が呼びに来ますが、最初は申立人からとなります。
調停室では、裁判官1名と調停委員2名がいて、まず、最初に自己紹介の後、調停の仕組みや流れの説明を受けます。
ひと通りの説明が終わると、離婚調停を申し立てた経緯や、申立人の要望などを調停委員と30分程度話をします。話が終わると、一度調停室を出て待合室に戻ります。
次に、相手方が調停室に呼び出されます。相手方も同様に自己紹介と説明を受けてから、調停委員が相手方の主張を聞いたり、相手方に申立人の主張を伝えたり、申立人の主張に対する反論を聞いたりして同様に30分程度話をします。
以降は、申立人・相手方が交互に呼び出されて調停委員と話し合いを行い、進めていきます。
③第2回目以降の調停期日
第2回目の調停期日は、第1回目の1ヶ月~1ヶ月半後となるのが一般的です。それまでに必要な資料を用意するよう指示されることもあります。
第2回目の期日も、基本的な流れは初回と同様です。ここでも話がまとまらなければ、第3回目の期日が設定され、以降は第4回、第5回…と調停が終了するまで続きます。
④離婚調停終了
離婚調停が終了するのは、次の図の3パターンです。調停成立、調停不成立、調停取り下げがあります。
それぞれ次項で詳しく解説していきます。

調停成立
離婚に関して双方が合意できれば、調停は成立となります。
離婚調停が成立すると、裁判所が調停調書を作成して交付します。
「離婚調停が成立した日から10日以内」に夫婦の本籍地か住所地の市区町村役所へ離婚届と調停調書を添えて提出してはじめて離婚が成立します。
本籍地以外の市区町村役場に提出する場合は、戸籍謄本も必要です。
また、「調停調書」は、裁判の確定判決と同じ効力を有しています。
調停調書が作成されたあとは、不服を申し立てることはできませんので、調停調書の内容に、誤りや記載漏れがないかもしっかり確認してください。
なお、調停調書に記載されている養育費、慰謝料、財産分与の支払いなど、合意した内容が守られない場合は、強制執行の手続きを行って、相手の給与や預貯金などの財産を差し押さえて回収できる可能性があります。
調停不成立
離婚調停で話し合いを重ねても離婚について合意できなかった場合や、そもそも相手が調停を欠席し続けて話し合いができなかった場合は、調停不成立となります。
調停不成立になったあとの対処法として、次の3つが考えられます。
協議離婚
夫婦間で改めて話し合いをして、協議離婚を目指します。調停で相手の意見を知ることができ、調停委員の助言も聞き、調停時より冷静な話し合いができる可能性があります。審判離婚
調停時にだいたいの離婚条件の調整ができており、細かな条件のみ合意できていないような場合は、審判手続きに移行して、裁判官の職権で離婚について判断を下します。離婚裁判
家庭裁判所に離婚裁判を提起して、一切の事情を考慮して裁判官が離婚について判断を下します。離婚裁判では、離婚調停時に提出した資料などは引き継がれませんので、改めて提出する必要があります。
調停取り下げ
申立人は話し合いの途中であっても、いつでも調停を取り下げることができます。
調停以外の場で改めて夫婦で話し合ったことで離婚に合意したケースや、夫婦関係を修復することができたケースなどで取り下げることが多いようですが、取り下げの際に特に理由は求められません。相手方の同意も不要です。
なお、取り下げ後に再度調停を申し立てることはできますが、取り下げから短期間で再び調停を申し立てると裁判所から不当申立てと判断されるおそれもあるので、取り下げについては慎重に検討しましょう。
離婚のご相談受付
来所法律相談30分無料
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離婚調停ではどのようなことを聞かれるのか?
実際の離婚調停では、どのような質問をされるのか気になるところかと思います。
ここからはよく聞かれる質問や、その質問に答えるときのポイントについて解説します。
結婚した経緯
出会いや結婚に至る経緯について聞かれます。
過去の思い出を語る必要はないので、調停を行うにあたって必要と考えられる情報を端的に述べましょう。
離婚を決意した理由
離婚を望むようになった理由について、端的に説明します。相手方の不貞行為といった法定離婚事由があれば、必ず伝えておきましょう。
結婚してから調停を申し立てるに至るまでの経緯を書面に時系列でまとめて、あらかじめ資料として提出しておくのも有用です。
現在の夫婦関係の状況
現在の夫婦関係の状況を説明します。別居をしているのか、DVやモラハラがあるのかといったことについて、隠さずありのままに伝えましょう。
夫婦関係が修復できる可能性
調停では、離婚ではなく夫婦関係を修復するという結論に至ることもあるため、調停委員は修復の可能性についても探ってきます。
難しいと感じている場合は、過去に関係修復に努めたができなかったことや、将来も修復できないだろうということを冷静に説明しましょう。
親権・養育費・財産分与・慰謝料に関すること
離婚調停では離婚をするかどうかだけでなく、離婚条件も大きな争点となりますので、次のような事項は調停委員に詳しく問われます。
【未成熟の子供がいる場合】
【お金に関する条件】
調停委員に質問をされたら、自分の意思をはっきりと示しましょう。
根拠となる資料があれば、さらに説得力が増すでしょう。
離婚後の生活について
離婚後の生活の見通しについても質問されます。特に、専業主婦(主夫)やパートタイマーで収入が少ない人は、離婚後の住まいや仕事をどうするつもりなのかということを聞かれるでしょう。
幼い子供の親権の取得を希望している場合は、親族など頼れる人はいるのかといったことも聞かれます。
離婚調停での不利な発言や行動とは?
離婚調停中の言動によっては、裁判官と調停委員の心証が悪くなり、不利になる可能性があります。
具体的には、次のような発言は不利になると考えられるものです。
- 相手の悪口や批判ばかりを話す
- 抽象的な主張ばかり言う
- 感情的、一方的な主張を繰り返す
- 自身の気持ち(主張)がコロコロ変わる
- 希望する条件に固執していて、譲歩する気持ちが一切ない
- 自分自身の非を頑なに認めない など
さらに、次のような言動は不利になると考えられるものです。
- 離婚調停を無断で欠席する
- 相手に直接文句を言ったり、嫌がらせをしたりする
- 夫婦の財産を勝手に持ち出して消費したり、処分したりする
- 無断で家を出ていく
- 子供を勝手に連れ去る
- 別の異性と交際する など
離婚調停に必要な書類
離婚調停を申し立てする際に必要な提出書類および概要・取得先は次のとおりとなります。
必要書類 | 概要・取得先 |
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申立書および その写し1通 |
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夫婦の戸籍謄本 (全部事項証明書) |
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事情説明書 |
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子についての事情説明書 |
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連絡先等の届出書 |
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進行に関する照会回答書 |
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年金分割のための情報通知書 |
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また、離婚調停が始まってから、取り決める必要のある離婚条件によって、次のような疎明資料を提出するように調停委員に指示される場合があります。
養育費
夫婦それぞれの収入がわかる資料(源泉徴収票、確定申告書、給料明細書など)財産分与
夫婦で形成・維持してきた財産がわかる資料(預貯金通帳写し、残高証明書、保険証券、不動産登記事項証明書、固定資産評価証明書など)慰謝料
相手の不貞行為(浮気・不倫)やDV・モラハラなどの不法行為がわかる資料(ラブホテルに出入りしている写真・動画、DVされたときに負った外傷の写真、医師の診断書など)婚姻費用
夫婦それぞれの収入がわかる資料(源泉徴収票、確定申告書、給料明細書など)
※ただし、別途、婚姻費用分担請求調停を申し立てる必要があります。
離婚調停を有利に進めるコツとは?
ここまで離婚調停の概要を説明してきましたが、調停を有利に進めるためにはどういった点に気を付けるべきなのでしょうか。以下にポイントをまとめましたので、参考になさってください。
自分の主張をまとめておく
離婚調停の際には、離婚をしたい動機や経緯、希望する離婚条件を調停委員に説明する必要があります。
いざ調停委員を目の前にすると、伝えたいことをうまく言えなかったり、言い忘れたりしてしまいますので、自分の主張を予めまとめておくようにしましょう。
可能であれば、事前に親族や友人等を相手にリハーサルを行うと落ち着いて調停に望むことができるでしょう。
また、口頭で伝えるだけでは、しっかり伝わらないこともあるので、「陳述書」や「主張書面」というかたちで書面を作成して提出するのも有効です。
書面は、調停委員から提出するように指示される場合もありますが、指示されていなくても、調停を有利に進めたければ、率先して主張を整理した書面を提出しても構いません。
ただし、調停期日の当日や直前に提出しても、調停委員がきっちり読んで確認できませんので、次回の調停期日の1週間前くらいにはFAXや郵送などで提出するようにしましょう。
法定離婚事由があることを主張する
調停が不成立となり離婚裁判へと進むことになった場合、民法で定められている離婚理由、すなわち法定離婚事由がなければ離婚を認めてもらうことはできません。
裁判では調停の申立書等も参考資料として扱われるため、法定離婚事由があることを調停でしっかりと主張しておかなければ、それほど困ってはいないと判断されてしまうおそれがあります。
不貞行為 | 配偶者以外と性行為やそれに準ずる行為をすること |
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悪意の遺棄 | 悪意をもって配偶者を見捨てる行為をすること |
3年以上の生死不明 | 配偶者が突如家出をする等して、3年以上生死不明となること |
強度の精神病 | 配偶者が統合失調症や認知症など、回復が期待できない精神病を患っていること |
その他婚姻を継続し難い重大な事由 | DVやモラハラ、過度な宗教活動などにより、夫婦関係が破綻していること |
証拠を確保する
相手方が不法行為を行っている場合は、調停を申し立てる前に証拠を確保しておきましょう。証拠がなければ、相手方が不法行為を認めない限り、慰謝料を請求することが難しくなります。
また、証拠を集める前に相手方に離婚を検討していることを匂わせてしまうと、警戒されてしまい十分な証拠を確保できない可能性があるので注意しましょう。
集めるべき証拠の例としては、以下のようなものが挙げられます。
不貞行為 | 浮気相手とホテルに出入りする様子を撮った写真、性行為があったことを伺わせるLINE等のやり取り |
---|---|
DV | 暴力によって負った怪我の写真や診断書、暴力の様子を記録した映像や音声 |
モラハラ | モラハラの内容を書いた日記、モラハラの様子を記録した映像や音声 |
悪意の遺棄 | 相手方が生活費を入れていないことがわかる家計簿、相手方の給与明細 |
調停委員を味方につける
調停委員はいくら中立・公平を保つ立場であるといっても人間ですので、悪い印象を抱かれてしまうと、自身に有利な流れで調停を進めるのが難しくなってしまうおそれがあります。
調停に出頭する際には、身だしなみや服装などに気を付けましょう。スーツを着る必要はありませんが、華美なアクセサリーや高級な時計・バッグなどを身に着けるのは避けた方が無難です。
また、調停委員と話すときは、感情的にならず落ち着いた口調で冷静に対応することを心掛けるとよいでしょう。
弁護士に依頼する
離婚調停は自分ひとりでも対応することはできますが、取返しのつかない失敗を避けたいのであれば、弁護士に依頼するのが確実です。
弁護士に依頼すると、たしかに費用はかかってしまいますが、以下のような大きなメリットが得られます。
- 事前に必要書類を準備してくれる
- 事前に調停で主張すべきこと・すべきでないことを整理して、戦略を立ててくれる
- 調停に同席して、適宜フォローを入れてくれる
- 調停に代理出席してくれる
- 調停委員に共感してもらえるよう、説得力のある主張をしてくれる
- 相手の主張に対して、論理的に反論してくれる
- 譲歩すべき点・すべきでない点の判断をしてくれる
- 離婚裁判に発展した際、スムーズに移行できる
弁護士に依頼する場合の費用はどのくらい?
離婚調停を弁護士に依頼した場合は、次のような弁護士費用がかかります。
法律相談料
弁護士に相談したときに生じる費用着手金
弁護士に正式に依頼したときに最初に支払う費用成功報酬金
結果に応じて支払う費用日当
弁護士が出張や裁判所に出廷したときなど、事務所を出て遠方に赴いたときに生じる費用実費
交通費や郵送代など、依頼した事件を処理するうえで実際にかかった費用
具体的な費用は各法律事務所や依頼した案件の難易度、結果によって大きく異なります。
基本的な離婚事件の弁護士費用の相場としては、合計40万~70万円となります。
なお、初回の法律相談料は無料としている法律事務所も多数ありますので、利用をお勧めします。
離婚のご相談受付
来所法律相談30分無料
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。 ※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。
調停を申し立てられたが離婚したくない場合
自身は離婚を望んでいないけれど、配偶者から離婚調停を申し立てられてしまった場合、気が向かないかとは思いますが、必ず調停に出席するようにしましょう。
離婚調停は夫婦の今後について話し合う場なので、離婚ではなく関係を修復させるという結論に至ることも往々にしてあります。
調停委員に自分の思いを理解してもらうためにも、夫婦関係修復のために努力をしていることや、夫婦関係は破綻していないことをしっかりと主張しましょう。
相手が身に覚えのないことを主張してきた場合は、相手を非難せずに冷静に反論してください。真摯な姿勢で向き合うことが、調停委員を味方につける一番の近道です。
離婚調停に関するQ&A
別居をしていると離婚調停で不利になりますか?
別居をしているからといって一概に、離婚調停が有利になる、または不利になるということはありません。
実際に別居しながら離婚調停を進めている方は多数いらっしゃいます。
ただし、離婚裁判まで発展した際は、別居する際に勝手に家を出ていく、別居後の生活費を渡さない、相手を家から追い出して別居したなどのケースでは、裁判上の離婚が認められる事由のひとつである悪意の遺棄にあたる可能性があるため、離婚をしたくない方にとっては不利になります。
一方で、別居期間が長期化していると、婚姻期間は破綻しているとみなされ、裁判上で離婚が認められる事由のひとつである婚姻を継続し難い重大な事由にあてはまるため、離婚をしたい方にとっては有利に働く場合もあります。
離婚における別居については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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離婚調停を申し立てられたのですが、答弁書はどのように記載したらよいですか?
離婚調停を申し立てられると、調停期日通知書や申立書の写しと共に、答弁書(「意見書」「回答書」となっていることも。)が送られてきます。
答弁書とは、申立書に記載されている調停申立ての趣旨や理由を踏まえて、相手の意見に反論し自分の考えを回答するための書類です。
調停委員が公平に対応するために、事前に当事者双方の意見を確認する目的で用意されている書類なので、できる限り期限までに提出してください。
答弁書のフォーマットは裁判所により異なりますが、意見の記載欄があまり大きくないことも多いです。
そのため、離婚を希望するのかしないのか、希望するのであれば相手が提示する離婚条件のどの点に納得がいかないのかということを、なるべく簡潔に記載するようにしましょう。
離婚調停を行わずに離婚裁判を行うことは可能ですか?
原則として、いきなり離婚裁判を申し立てることは認められていません。
離婚に関する争いは本来であれば夫婦の問題であることから、当事者が一度は話し合うべきであると考えられています。
そのため、裁判の前には調停を行う段取りになっているのです。このような考えを、調停前置主義といいます。
ただし、調停前置主義にも例外があります。
相手の行方がわからず生死不明の場合や、相手が強度の精神病を患っている場合は、そもそも話し合うことが難しいため、離婚裁判からスタートすることが可能な場合があります。
離婚調停を欠席 (拒否) するとどうなりますか?
調停を一度でも無断で欠席してしまうと、当然ながら裁判官や調停委員からの心証を損ねてしまうため、その後の調停期日で不利になる可能性があります。
そのまま欠席を続けると調停不成立となりますが、相手が裁判を起こすことも十分に考えられます。
なお、実際に適用されることは稀ですが、正当な理由なく調停を欠席すると、5万円以下の過料に処すと法律で定められています。
やむを得ず欠席する場合は、必ず裁判所の書記官に早めに連絡するようにしてください。
正当な理由があるのであれば、欠席したとしても直ちに不利な扱いを受けることはありません。
離婚調停では女性が有利ですか?それとも申し立てをしたほうが有利ですか?
離婚調停で、性別によって有利・不利になることはありません。
ただし、親権は女性側である母親が獲得する確率が高いのが実情です。
また女性側より男性側のほうに収入が高いケースが多く、離婚後、子供と離れて暮らす場合の養育費や離婚成立までの婚姻費用などは男性側が支払うことになり、男性側のほうが不利じゃないかと感じられるケースも確かにあります。
さらに、調停を申し立てた側が有利・不利になることもありません。
調停を申し立てした側が先に裁判官や調停委員に意見を述べられますので先入観をもたれ、申し立てられた側が不利になるのではないかと思われるかもしれません。
しかし、裁判官や調停委員は、普段から数多くの調停手続きに携わっており、決して先入観や印象だけで判断はしません。
いずれにせよ、どちら側であっても、離婚調停での話し合いが決まってから、自分の意見を整理して、準備や対策をしっかり行えば有利に進められる可能性は十分にあります。
離婚調停を長引かせるメリットはありますか?
離婚調停を長引かせるメリットは、婚姻費用を請求している場合に婚姻費用を離婚成立するまでの長い間もらい続けられる点が挙げられます。
そのほかにも、一方が離婚の成立を急いでいる場合には、調停が長引くことを望まないため、有利な離婚条件を引き出せる可能性があります。
また、離婚自体をどちらか一方が頑なに拒否している場合や、離婚条件でお互い譲らないものがあって長引いている場合などは、調停でじっくり時間をかけて話し合って、調停委員からもたくさん助言をもらうことで、気持ちや心境に変化を及ぼし、最終的に円満な離婚が成立できることもあります。
弁護士に依頼することで、離婚調停を有利かつスムーズに進めることができます
離婚問題について夫婦のみで解決しようとしているけども、なかなかうまく進んでいない場合は、離婚調停の申立てを検討すべきです。
ただし、あくまでも離婚調停も話し合いの場ですので、長引くこともあれば、調停不成立になってしまうケースもあります。
そこで、離婚調停を有利に進めて、できるだけ時間をかけずに離婚の合意を望むのであれば、弁護士にご相談ください。
弁護士は今までの経験や培ったノウハウから今後の見通しを立てて、どのようにすれば有利に調停を進めていけるのかアドバイスをいたします。
また離婚調停という不慣れな手続きも代わりに行いますし、一緒に調停に出廷して、ご自身の主張を法的観点から正しく伝えて、サポートいたします。
1人で抱え込まずに、まずはお気軽に弁護士法人ALGにお問合せください。
離婚のご相談受付
来所法律相談30分無料
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。 ※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。

保有資格 弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)