年収400万円の養育費の相場は?金額の決め方や子供の人数別相場

養育費を支払う側の年収が400万円の場合、養育費の相場は月額4万~14万円です。子供の人数や養育費を受け取る側の年収により金額は変わります。
本記事では、支払う側が年収400万円の場合の養育費相場について、子供の人数や受け取る側の年収別に解説します。
目次
養育費とは
養育費とは、子供が社会的に自立した生活を送れるようになるまでの間に必要となる、子供の生活費や教育費のことをいいます。
離婚によって親権者(同居親)となった側は、非親権者(別居親)側に対し、養育費の請求ができます。
これは、離婚したからといって親子の縁が切れるわけではないため、当然に子供への扶養義務も継続されるからです。
養育費の支払い義務は、子供に自分と同水準の生活をさせる義務とされています。
年収400万円の養育費の決め方
養育費の金額は、夫婦が話し合って合意できれば、いくらになっても構いません。
しかし、養育費の金額で揉めてしまう場合も多く、そのような場合には裁判所が公表している養育費算定表を参考にすると良いでしょう。
算定表は、子供の人数や年齢に応じて9つの表に分かれています。ご自身に当てはまる表を選びましょう。算定表は縦軸に支払う側(義務者)、横軸に受け取る側(権利者)の年収が記載されています。
自営業と給与収入で欄が分かれていますので、当てはまる欄の数字を見て、義務者と権利者の数字が交わる部分が養育費の相場となります。
また、給与所得者と自営業では基礎収入が異なります。
養育費のベースになる基礎収入は給与所得者で総収入の34~42%、自営業では47~52%となっているため、同じ収入額でも自営業の方が養育費の金額が高額となります。

養育費を相場より増減させるには?
権利者や義務者の収入状況に変化があった場合や特別出費が生じた場合など、予測できない事情の変化があった場合には、養育費の増減が認められる可能性があります。
<養育費増額の可能性がある場合>
- 義務者の収入が大幅に増加した
- 病気やリストラなどのやむを得ない事由により、権利者の収入が減少した、または権利者が働けなくなった
- 子供が私立の中学校・高校・大学に進学することになった
- 子供が重大な病気にかかり、継続的に多額の医療費がかかる状況になった など
<養育費減額の可能性がある場合>
- 病気やリストラなどのやむを得ない事由により、義務者の収入が減少した、または義務者が働けなくなった
- 権利者の収入が大幅に増加した など
年収400万円の養育費の相場はいくら?
義務者が年収400万円の場合の養育費相場について見ていきましょう。ここでは、権利者(受け取る側)の年収は0円とします。
裁判所が公表している養育費算定表は、子供が3人までのケースとなっているため、これから算出する養育費相場についても、子供が3人までのケースとさせていただきます。
子供が4人以上いる場合は、今後の養育費に必要な費用、父母の収入状況などを踏まえて別途計算する必要があります。
しかし、養育費の計算は、法的知識や実務経験がなければ難しいため、離婚に詳しい弁護士に相談すると良いでしょう。
また、こちらの養育費計算ツールでも簡単に養育費の相場を算出できます。ぜひご活用ください。
合わせて読みたい関連記事
子供が1人の場合
まずは、子供が1人の場合の養育費相場を見ていきましょう。
義務者の年収400万円、権利者が無収入の場合の養育費相場は4万~10万円となります。
養育費相場の内訳は、以下の表のとおりです。
子供の人数・年齢 | 養育費の相場【受け取る側が無収入】 | ||
---|---|---|---|
給与所得者 | 自営業者 | ||
1人 | 0~14歳 | 4万~6万円 | 6万~8万円 |
15歳以上 | 6万~8万円 | 8万~10万円 |
子供が2人の場合
次に、子供が2人いる場合の養育費相場を見ていきましょう。
義務者の年収400万円、権利者が無収入の場合の養育費相場は6万~12万円となります。
養育費相場の内訳は、以下の表のとおりです。
子供の人数・年齢 | 養育費の相場 【受け取る側が無収入】 |
||
---|---|---|---|
給与所得者 | 自営業者 | ||
2人 | 2人とも0~14歳 | 6万~8万円 | 10万~12万円 |
第1子15歳以上、 第2子0~14歳 | 8万~10万円 | 10万~12万円 | |
2人とも15歳以上 | 8万~10万円 | 10万~12万円 |
子供が3人の場合
子供が3人の場合の養育費相場を見てみましょう。
義務者の年収400万円、権利者が無収入の場合の養育費相場は8万~14万円です。
子供の人数が増えると、それだけ子供の生活費がかかるため養育費の相場も高くなります。
養育費相場の内訳は以下の表のとおりです。
子供の人数・年齢 | 養育費の相場 【受け取る側が無収入】 |
||
---|---|---|---|
給与所得者 | 自営業者 | ||
3人 | 3人とも0~14歳 | 8万~10万円 | 12万~14万円 |
第1子15歳以上、 第2子・第3子0~14歳 | 8万~10万円 | 12万~14万円 | |
第1子・第2子15歳以上、 第3子0~14歳 | 8万~10万円 | 12万~14万円 | |
3人とも15歳以上 | 10万~12万円 | 12万~14万円 |
年収400万円で共働きだった場合の養育費は?
離婚する夫婦は専業主婦だけではなく、養育費を受け取る権利者が働いているケースもあるでしょう。
その場合、養育費の金額は変動します。
今回は、以下の2つのパターンで、養育費の相場を算出していきます。
- 義務者の年収400万円、権利者の年収100万円
- 義務者の年収400万円、権利者の年収300万円
養育費計算ツールでは、義務者や権利者の年収を細かく入力でき、養育費の相場を算出できます。ぜひご活用ください。
合わせて読みたい関連記事
支払う側が年収400万円、受け取る側が年収100万円
まずは、義務者の年収が400万円、権利者の年収が100万円の場合の養育費相場を見ていきましょう。
権利者の年収が100万円増えると、養育費の相場はどのように変動するのでしょうか。
子供が1人の場合
義務者の年収が400万円、権利者の年収が100万円、子供1人の場合の養育費相場は4万~8万円です。
権利者が無収入の場合は4万~10万円であったため、権利者の収入により養育費の相場が減額することが分かります。
養育費相場の内訳は、以下の表のとおりです。
子供の人数・年齢 | 養育費の相場 【受け取る側が年収100万円】 |
||
---|---|---|---|
給与所得者 | 自営業者 | ||
1人 | 0~14歳 | 4万~6万円 | 4万~6万円 |
15歳以上 | 4万~6万円 | 6万~8万円 |
子供が2人の場合
義務者の年収が400万円、権利者の年収が100万円、子供が2人の場合の養育費相場は4万~10万円です。
権利者の収入が100万円増えるだけで、養育費の相場が大幅に変動することが分かります。
養育費相場の内訳は、以下の表のとおりです。
子供の人数・年齢 | 養育費の相場 【受け取る側が年収100万円】 |
||
---|---|---|---|
給与所得者 | 自営業者 | ||
2人 | 2人とも0~14歳 | 4万~6万円 | 8万~10万円 |
第1子15歳以上、 第2子0~14歳 | 6万~8万円 | 8万~10万円 | |
2人とも15歳以上 | 6万~8万円 | 8万~10万円 |
子供が3人の場合
義務者の年収が400万円、権利者の年収が100万円、子供が3人の場合の養育費相場は、6万~12万円です。
権利者が無年収の場合は8万~14万円であるため、権利者に収入があると、相場は変動することが分かります。
養育費相場の内訳は、以下の表のとおりです。
子供の人数・年齢 | 養育費の相場 【受け取る側が年収100万円】 |
||
---|---|---|---|
給与所得者 | 自営業者 | ||
3人 | 3人とも0~14歳 | 6万~8万円 | 10万~12万円 |
第1子15歳以上、 第2子・第3子0~14歳 | 6万~8万円 | 10万~12万円 | |
第1子・第2子15歳以上、 第3子0~14歳 | 6万~8万円 | 10万~12万円 | |
3人とも15歳以上 | 6万~8万円 | 10万~12万円 |
支払う側が年収400万円、受け取る側が年収300万円
近年では、双方が正社員として共働きをしている夫婦も増えてきており、権利者も多くの収入を得ている場合があります。
ここでは、実際に義務者の年収が400万円、権利者の年収が300万円の場合の養育費相場を見ていきましょう。
子供が1人の場合
義務者の年収が400万円、権利者の年収が300万円、子供1人の場合の養育費相場は2万~6万円です。
権利者が無収入の場合は4万~10万円であったため、権利者の収入が増えると養育費の金額が変動します。
養育費相場の内訳は、以下の表のとおりです。
子供の人数・年齢 | 養育費の相場 【受け取る側が年収300万円】 |
||
---|---|---|---|
給与所得者 | 自営業者 | ||
1人 | 0~14歳 | 2万~4万円 | 4万~6万円 |
15歳以上 | 2万~4万円 | 4万~6万円 |
子供が2人の場合
義務者の年収が400万円、権利者の年収が300万円、子供2人の場合の養育費相場は4万~8万円となり、権利者が無収入の場合は6万~12万円であったため、権利者の収入により養育費の金額が変動することが分かります。
養育費相場の内訳は、以下の表のとおりです。
子供の人数・年齢 | 養育費の相場 【受け取る側が年収300万円】 |
||
---|---|---|---|
給与所得者 | 自営業者 | ||
2人 | 2人とも0~14歳 | 4万~6万円 | 6万~8万円 |
第1子15歳以上、 第2子0~14歳 | 4万~6万円 | 6万~8万円 | |
2人とも15歳以上 | 4万~6万円 | 6万~8万円 |
子供が3人の場合
義務者の年収が400万円、権利者の年収が300万円、子供3人の場合の養育費相場は4万~10万円となり、権利者が無収入の場合は8万~14万円であったため、権利者の収入により養育費の金額が変動することが分かります。
養育費相場の内訳は、以下の表のとおりです。
子供の人数・年齢 | 養育費の相場 【受け取る側が年収300万円】 |
||
---|---|---|---|
給与所得者 | 自営業者 | ||
3人 | 3人とも0~14歳 | 4万~6万円 | 6万~8万円 |
第1子15歳以上、 第2子・第3子0~14歳 | 4万~6万円 | 8万~10万円 | |
第1子・第2子15歳以上、 第3子0~14歳 | 4万~6万円 | 8万~10万円 | |
3人とも15歳以上 | 4万~6万円 | 8万~10万円 |
離婚のご相談受付
来所法律相談30分無料
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。 ※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。
年収を参考に養育費を決める場合の注意点
ここまで紹介した養育費の相場は、あくまでも平均的な金額に過ぎず、絶対的にこの金額でなければならないわけではありません。
ここで算出した養育費相場には、高額な医療費や私立の学費などの個別事情は考慮されていませんので、相場より高い養育費を請求することも可能です。
もっとも、相場より高額な養育費を無理やり請求したとしても、現実的に支払いが難しければ支払いが滞ってしまう可能性があります。
そのため、継続的にきちんと支払いをするためにも、お互いの事情を考慮して、現実的な金額を取り決めることが大切です。
年収400万円の場合の養育費にお悩みの場合は弁護士法人ALGへご相談ください!
養育費の金額は揉めてしまうことも多く、「養育費算定表」や「養育費計算ツール」を使用する方は多くいらっしゃるでしょう。
しかし、継続的に養育費を支払ってもらうためには、個別の事情を考慮した金額を決めることが大切です。
そのため、養育費の金額でお悩みの方は、私たち弁護士法人ALGにご相談ください。
私たちは、ご夫婦の個別事情を丁寧にヒアリングし、適切な養育費の金額をご提案いたします。また、相手方と養育費の金額について、法的な観点から交渉していくことも可能です。
少しでもお悩みの方は、まずは一度お話をお聞かせください。
離婚のご相談受付
来所法律相談30分無料
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。 ※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。

保有資格 弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)