新婚だけど離婚したい…結婚直後の離婚で悩んだら考えるべきこと

新婚旅行や新婚生活で一緒に過ごすうちに、喧嘩したりストレスを感じたりして、“離婚”を意識される方も少なくありません。
“成田離婚”は1990年代から使われている言葉ですが、現在でも新婚旅行をきっかけに夫婦関係が悪化して離婚する夫婦は珍しくありません。
厚生労働省が発表した人口動態統計によると、2022年に離婚した17万9099組の夫婦のうち、一般的に新婚といわれる同居期間1年未満に離婚した夫婦は8971組でした。
離婚した夫婦の5組に1組の夫婦が新婚で離婚していることになります。
本記事では、新婚夫婦が離婚したいと思う理由を踏まえて、離婚するメリットとデメリットを解説していきたいと思います。
今後の選択で後悔しないためにも、新婚だけど離婚を考えている方、離婚すべきか悩まれている方の参考になれば幸いです。
目次
新婚だけど離婚したいと思う6つの理由
幸せいっぱいのはずの新婚夫婦が「離婚したい…」と思うのはなぜでしょうか?
結婚したばかりの新婚夫婦が離婚すると、スピード離婚といわれることが多いです。
スピード離婚とは、一般的に結婚から2~3年以内に離婚することを指し、成田離婚もスピード離婚のひとつです。
もともとは他人同士だったふたりが夫婦として一緒に暮らすなかで、
- DVやモラハラ・浮気などの問題行動がある
- 価値観や金銭感覚の違い
- 生活習慣や生活リズムの違い
- 義両親との折り合いが悪い
- セックスレスになった
- 借金があることが発覚した
といった理由から、「結婚したばかりだけど離婚したい」と思うことが多いようです。
以下、詳しくご紹介します。
DVやモラハラ・浮気などの問題行動がある
DVやモラハラ、浮気などの問題行動があった場合、新婚でも離婚を考えてしまうのは無理もありません。
DVやモラハラをする人は結婚後に豹変することが多く、結婚前はよい面しか見せないため見抜くのが難しいです。
また、既婚者としての自覚が薄かったり、結婚前からの関係が切れていなかったりして、結婚して間もないのに浮気や不倫が発覚することもあります。
このように問題行動のある配偶者を改めることは難しいので、長く夫婦生活を続けていくことに不安を抱えたままいるよりも、早めに離婚を決断したほうがよいケースもあります。
価値観や金銭感覚の違い
夫婦として一緒に暮らしていくなかで、性格の不一致や、価値観・金銭感覚の違いから離婚を考える人も少なくありません。
育ってきた環境が違うので、性格や価値観が異なるのは仕方のないことです。
相手の性格、価値観や金銭感覚、子育ての方針など、お互いに歩み寄って折り合いをつけることが、夫婦生活を送るうえで大切になります。
ただし、あまりにもズレが大きすぎたり、お互いに歩み寄れなかったりする場合には、今後夫婦として一緒に暮らしていくことが困難になります。
性格の不一致で離婚したいと悩まれている方は、以下ページもご参考ください。
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生活習慣や生活リズムの違い
相手との生活習慣や生活リズムの違いから、離婚したいと考える方も一定数いらっしゃいます。
結婚すると、異なる環境で生活していた男女が一緒に生活することになるため、慣れない夫婦生活にストレスを感じることもあるでしょう。
この場合、一時的な感情であることが多く、一緒に暮らしていくうちに夫婦の生活習慣や生活リズムが構築できる可能性があります。
もっとも、生活習慣や生活リズムの違いがストレスとなって体調に不調をきたすようなケースでは、夫婦生活を続けることが難しくなってしまいます。
義両親との折り合いが悪い
義理の両親との折り合いが悪く、不満が生じて離婚したいと考える方も少なくありません。
結婚すると、結婚相手の両親や親族との関係に頭を悩ませる夫婦が多いです。
とくに嫁と姑は立場上対立しやすく、嫁姑問題も昔から後を絶ちません。
義理の両親との折り合いが悪くても、結婚相手が味方になってくれればよいですが、味方になってくれないケースでは家庭に居場所がないと感じ、離婚に至ってしまうのです。
嫁姑問題が原因で離婚したいと悩まれている方は、以下ページもご参考ください。
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セックスレスになった
結婚をきっかけにセックスレスになることも珍しくなく、子供を作れなくなることからも、離婚したいと考えるきっかけになります。
新婚でセックスレスになる理由として、一緒に過ごす時間が増えて新鮮味がなくなることや、仕事や家事の疲労がたまっていくことなどが挙げられます。
新婚にもかかわらず、一方的に夫婦の触れ合いを拒まれると不安になりますし、子供が欲しい人にとっては相手の非協力的な態度に幻滅したりして、人知れず悩み、離婚という考えに至るのもやむを得ません。
まずはセックスレスを解消するために、配偶者に悩んでいることを打ち明け、話し合ってみて、それでもうまくいかない場合は、離婚を決断するのもひとつの選択肢です。
セックスレスが原因で離婚したいと悩まれている方は、以下ページもご参考ください。
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借金があることが発覚した
結婚後に多額の借金があることを知ったなど、隠し事の発覚は離婚を考えるきっかけになります。
発覚した借金があまりにも高額だったり、結婚前に借金はないと聞いていたり、夫婦生活を送るうえで重要な情報に偽りがあったことが結婚後に発覚した場合、「ほかにも隠し事があるのでは…」、「また嘘をつかれたら…」と結婚相手を信頼できなくなって、夫婦生活を続けていくことが困難になる可能性があります。
夫婦で話し合ってわだかまりが解消できればよいですが、今後の夫婦生活に不安が拭い切れない場合には離婚を決断するのもひとつの選択肢です。
結婚相手の借金が原因で離婚したいと悩まれている方は、以下ページもご参考ください。
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新婚でスピード離婚するメリットとデメリット
メリット
新婚夫婦がスピード離婚すると、次のようなメリットがあります。
- 精神的ストレスを軽減できる
夫婦生活が長くなるほど精神的なストレスは積み重なりますし、離婚による喪失感も大きくなります。
新婚のうちに離婚すればその時点で問題を断ち切れますし、失うものも少ないため、精神的ストレスが軽減できる可能性が高くなります。 - 財産分与や親権など争点となる離婚条件が少ない
新婚で離婚すると、夫婦で築いた財産も少ないので財産分与で揉める可能性は低くなります。
また、子供ができる前であれば親権・養育費・面会交流などで揉めることもないため、離婚を成立させやすくなります。 - 将来の貴重な時間を無駄にしなくて済む
新婚のうちに離婚すれば「もしかしたら別の人生があったかも…」と後悔せずに済みます。
また、再婚や再就職では年齢的に若い方が有利なこともあるので、早々に離婚することで時間を無駄にせずに済みます。
デメリット
新婚夫婦がスピード離婚すると、次のようなデメリットがあります。
- 一時の感情で離婚を決断すると後悔する可能性がある
新婚時代は、慣れない夫婦生活や理想と現実のギャップから離婚しやすい時期でもあります。
話し合ったり歩み寄ったりせず、一時の感情で離婚すると後悔したり、次に同じことが起こる可能性もあります。 - 周囲から理解されにくく、両親や家族をがっかりさせる
DVやモラハラ、浮気などの明確な理由なく離婚すると、「なんで離婚したの?」などと周囲から理解されなかったり、祝福してくれた家族や友人をがっかりさせてしまう可能性があります。 - 離婚後の生活の用意や手続きの負担が大きい
離婚後にひとりで生活するための用意には時間も費用もかかります。
また、短期間に住所変更や名義変更を繰り返さなければならないなど、離婚後の手続きには大きな負担がかかります。 - 再婚に影響する可能性がある
現在は再婚のハードルは低くなってきているとはいえ、離婚歴があることで交際を敬遠されたり、相手の両親の理解が得られず再婚が破談になったりする可能性はゼロではありません。
新婚で離婚を考え直すためにできること
「新婚だけど離婚したい」と悩まれたときに、離婚を考え直すためにできることを、いくつかご紹介します。
- 深呼吸をして、冷静な判断ができているか、自分を客観視しましょう
- 不満に感じていることや将来について、夫婦でとことん話し合ってみましょう
- 自分の理想や常識を押し付けず、お互いを尊重し歩み寄りましょう
- 夫婦だけで問題が解決できないときは、夫婦でカウンセリングを受けてみましょう
夫婦とはいえ、もともとは異なる環境で育った他人なので、問題に直面したからといってすぐに離婚するのはもったいないことかもしれません。
後悔しないためにも、ぜひ参考になさってください。
新婚で離婚する前に考えておくこと
新婚で離婚する場合に、次の4つの事柄について事前によく考えておきましょう。
- 離婚後の生活
- 財産分与
- 妊娠・子供がいる場合の親権・養育費・面会交流
- 慰謝料請求
それぞれ、次項で詳しくみていきましょう。
離婚後の生活
離婚を決めたら、なるべく早めに離婚後の生活をどうするのか考えましょう。
離婚によって家を出る必要がある場合は、離婚後の住まいを確保する必要があります。
実家に戻るのか、アパートなどを借りるのかによって、費用や準備するものが変わります。
離婚後の収入のために新しく仕事を探す場合は、離婚する前に働く場所を決めてから住まいを探すのもよいでしょう。
住まいも仕事も簡単には見つからないことも多いので、できるだけ早めにどうするのかを考え、行動に移すようにしましょう。
財産分与
財産分与とは、離婚に際して夫婦が婚姻中に協力して築いた財産を公平に分け合うことです。
新婚夫婦は結婚して間もないことから共有財産がそこまで多くないため、財産分与しないという選択肢もありますが、離婚後の生活のためにもよく検討する必要があります。
離婚時の財産分与について詳しくお知りになりたい方は、以下ページもご参考ください。
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妊娠・子供がいる場合
妊娠している場合や未成年の子供がいる場合は、離婚するにあたってどちらが親権者になるのかを必ず決めなければなりません。
新婚夫婦が離婚する場合、子供がまだ幼いことが多いです。
生まれて間もなかったり、子供の年齢が低かったりするケースでは母親が親権者になる可能性が高いですが、夫婦の話し合いによって親権者を決めることも可能です。
詳しくは以下ページもご参考ください。
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なお、離婚後の子供のために取り決めておくべき条件は親権者だけではありません。
「養育費をいくら、どのくらいの期間、どうやって支払うのか」や、「子供と離れて暮らす親との面会交流の方法や頻度」といったことも、あわせて取り決める必要があります。
慰謝料請求
新婚夫婦の離婚原因が、結婚相手のDVやモラハラ、浮気などの不法行為だった場合、相手に対して慰謝料を請求するかどうかを考えておきましょう。
慰謝料とは、相手方の不法行為によって被った精神的苦痛に対する金銭的な補償のことです。
一般的に、離婚に至った場合の慰謝料の相場は200万~300万円といわれていますが、新婚夫婦が離婚する場合、「婚姻期間が短く、離婚によって生じる精神的苦痛も小さい」とみなされて、相場よりも低額になる可能性があります。
なお、慰謝料請求には、不法行為を客観的に裏付ける証拠が必要となるため、相手に離婚を切り出す前に、少しでも多く証拠を集めておくことが大切です。
離婚の慰謝料について詳しくお知りになりたい方は、以下ページもご参考ください。
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新婚での離婚に不安がある場合は弁護士までご相談ください
新婚夫婦の場合、結婚相手からDVやモラハラを受けている場合は一刻も早く離婚した方がよいケースもありますが、価値観・生活習慣のすれ違いなど、一時の感情で離婚を決断してしまうと後悔するケースもあります。
したがって、新婚夫婦が離婚するメリットとデメリットを理解したうえで、離婚するかどうかを慎重に判断することが大切です。
「相手にどうやって離婚を切り出せばよいか分からない」、「新婚だけど財産分与や慰謝料をしっかり受け取りたい」とお考えの方は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
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保有資格 弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)