【托卵離婚】自分の子じゃなかった場合の慰謝料請求について

托卵とは、カッコウ、ホトドキスなどの鳥類が、ほかの鳥の巣に卵を産みつけてその鳥に孵化したひな鳥を育てさせることをいいます。
この動物の習性になぞらえて、他の男性との子供を産んで夫に育てさせる女性を「托卵妻」、「托卵女子」と呼びます。
子供とご自身(父親)が似ていなかったり、性交渉をした時期と出産予定日が合わなかったりして、「もしかしたら自分の子供じゃないかも」と疑念をもった場合は、DNA鑑定をして親子関係を確認してみるとよいでしょう。
その結果、托卵されていた事実が判明すれば、離婚や慰謝料請求を考えるのは当然のことだといえます。
そこで、本記事では、“托卵妻に慰謝料請求する方法”、“慰謝料の相場”、“その後の養育費の問題”など、托卵による離婚慰謝料について、詳しく解説します。
目次
托卵が発覚した(自分の子じゃなかった)場合、離婚慰謝料を請求できる?
妻が夫の子供ではないと知りながら、夫の子だと偽って夫に子供を育てさせる行為は、「故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した」行為として不法行為にあたり、法律上認められた離婚事由=法定離婚事由のひとつである婚姻を継続し難い重大な事由にあたる可能性が高いです。
また婚姻期間中の妻の不倫によって子供が生まれた場合は、法定離婚事由のひとつである「不貞行為」にあてはまります。いずれの場合も裁判になれば、妻が離婚を拒否しても、離婚が認められ、慰謝料請求ができる可能性が高いでしょう。
托卵離婚については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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托卵妻に慰謝料を請求する方法
妻に不倫された、または夫の子であると騙されていた場合は、民法上の不法行為にあたり、慰謝料請求できる可能性があります。
托卵妻に慰謝料請求する方法は主に次のとおりとなります。
- 当事者間で話し合いをして慰謝料請求する
相手と直接話し合いで慰謝料請求する方法は、費用もかけずに早期に解決できる可能性があります。
ただし、感情的になって交渉決裂する可能性があり、あとから「言った・言わない」の争いになるおそれがあります。 - 内容証明郵便を送付して慰謝料請求する
内容証明郵便を利用して慰謝料請求する方法は、強制力はありませんが、直接相手と会う必要もなく、言葉を交わす必要もないため感情的にならずに請求できます。
また裁判に移行した際に、慰謝料を請求するために行動したという有力な証拠にもなります。 - 裁判を提起して慰謝料請求する
裁判で慰謝料請求すると、一切の事情を考慮して裁判官が慰謝料について判決を下します。
もし裁判で確定した判決内容が守られなかった場合は、強制執行の手続きを行って、相手の財産を差し押さえることもできます。
ただし、裁判を起こすには費用がかかるだけでなく、法的な知識に基づく主張とそれを裏付ける証拠の提出が不可欠です。
托卵に対する離婚慰謝料の相場
通常の離婚慰謝料の相場は、100万~300万円とされています。
なかでも、不貞行為(不倫・浮気)による離婚慰謝料の相場は、200万~300万円になります。
妻が婚姻期間中に不倫相手の子供を出産し、意図的に夫をだまして長期間にわたり托卵していたような場合には、不貞行為の悪質性が高く、夫が被った精神的苦痛の度合いがより高いと認められて、相場より高額な慰謝料を獲得できる可能性が高くなります。
ただし、慰謝料の金額は、托卵されていた事実だけでなく、婚姻期間の長さ、不倫期間の長さ、慰謝料を支払う側の収入や資産など様々な要素で変動しますので、ご自身のケースに見合った慰謝料の相場を知りたい場合は、弁護士に相談するのが有用です。
托卵を理由に離婚・・その後の養育費はどうなる?
托卵を理由に離婚したとしても、法律上の親子関係を解消しない限り、離婚後も元夫には養育費の支払義務が生じます。
養育費の支払いを拒否するためには、裁判所の手続きにおいて、法律上の親子関係が否定される必要があります。
まず、元夫が家庭裁判所に嫡出否認の訴えを起こす方法があります。ただし、元夫が子供の出生を知ったときから3年以内に訴えなければいけません。
期限の問題で嫡出否認の訴えを起こせない場合は、親子関係不存在確認の訴えを起こして父子関係の存否を争える場合があります。
期間制限はありませんが、妻が妊娠したときに別居していたり、すでに夫婦関係が破綻していたり、夫婦が性的関係をもつ機会がなかったことが明らかな場合に限ります。
どちらの手続きもいきなり裁判を起こすことはできないため、まずは、調停を申し立てて話し合いから始めます。
「嫡出否認の訴え」や「親子関係不存在確認の訴え」により法律上の親子関係が否定された場合には、元夫は養育費の支払いを拒否することができます。
托卵が判明した場合の離婚や慰謝料請求については弁護士に相談がおすすめ
妻の托卵が判明して、離婚や慰謝料請求をお考えの方は、弁護士に相談・依頼することをお勧めします。
弁護士を介入させると次のようなメリットがあると考えられます。
- 法的な手続きを一任できる
弁護士に依頼すれば、離婚請求や慰謝料請求、法律上の親子関係を否定するための調停や裁判といった煩雑な手続きをすべて任せられるので、時間や労力が軽減できます。 - 精神的ダメージを軽減できる
我が子だと信じてこれまで育ててきたのに、自分と血の繋がりがない子供だったと判明した場合、相当な精神的ダメージを負うと思います。
その状態で離婚や慰謝料請求を考えるのは、さらに苛酷な状況だといえます。
弁護士に相談・依頼すれば、弁護士が味方でいてくれることがとても心強く、精神的な支えになります。 - 有利な内容で解決できる可能性が高まる
托卵妻に離婚や慰謝料を求めても頑なに応じなかったり、無理難題な要求をしてきたり、なかなか自分の希望に適う解決ができないケースが多く見受けられます。
弁護士であれば、相手の主張を踏まえて、法的観点に基づいて説得的に主張立証できますので、有利な内容で解決できる可能性が高まります。
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托卵妻との離婚や慰謝料に関する質問
托卵で離婚、妻の相手の男性(子供の父親)に慰謝料と養育費を請求できますか?
まず、慰謝料について、婚姻中に妻が他の男性との不倫行為によりできた子を出産し、托卵した場合は、妻の相手の男性にも慰謝料を請求できる可能性があります。
不倫は、夫婦の貞操義務に違反する行為であり、不倫した妻と不倫相手は、不倫をされたご自身に対して共同不法行為による損害賠償責任を負うからです。
結婚前でも、婚約期間中に他の男性と浮気してできた子を、結婚後に出産し托卵した場合も、婚約した当事者間には貞操義務があると解されますので慰謝料請求できる可能性があります。
次に、養育費を妻の相手の男性(子供の父親)に請求するには、まず嫡出否認の訴え、または親子関係不存在確認の訴えをして、ご自身と子供に法律上の親子関係を否定してもらう必要があります。
そのうえで、子供またはその法定代理人である妻が、妻の相手の男性(子供の父親)に認知請求し、認知が認められれば、妻から相手の男性に養育費を請求することができます。
托卵と知らず自分の子供だと騙されていました。離婚慰謝料の請求を検討していますが財産分与は拒否できますか?
托卵に対する離婚慰謝料の請求についてお悩みの方は弁護士法人ALGへご相談ください!
妻の托卵が発覚した場合は、弁護士法人ALGにご相談ください。
弁護士法人ALGでは個別の事情を伺い、ご自身が今後どうしたいのかを一緒によく考えたうえで、托卵妻に対し、法的手段をとっていくことになります。
具体的には、離婚や慰謝料請求、親子関係を否定したうえでの養育費の支払いの拒否など様々な対応についてアドバイス、サポートいたします。
非常にデリケートな問題なので、親族や友人など第三者への相談もしづらいかと思います。
悩みを一人で抱え込まず、弁護士の力を借りて、最善の解決を図りましょう。
まずはお気軽に弁護士法人ALGにお問合せください。
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保有資格 弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)