【2025年最新】養育費計算ツール|新算定表対応でわかりやすく解説

離婚後の子供の生活を支える養育費の取り決めは、親にとって非常に重要な課題です。
しかし、適切な金額を算出するためには、父母双方の収入や子供の人数・年齢など、さまざまな要素を考慮する必要があり、計算は複雑になりがちです。
この記事では、養育費の金額についてお悩みの方に向けて、養育費の基本的な計算方法に加え、家庭裁判所が公表している「養育費算定表」を用いた具体的な算定方法について解説します。
目次
養育費計算ツール
養育費の計算は複雑で、適正額が分かりにくいのが現状です。
そこで、弁護士法人ALGでは、養育費の計算ツールをご用意しました。
養育費を受け取る側・支払う側の年収、子供の人数・年齢などの必要事項を入力することで、自動で養育費の相場が算出できます。
養育費の計算方法4ステップ
養育費の具体的な金額は、計算式を使って算出することができます。
適正な養育費の金額を算出するためには、以下の4つのステップに沿って進めます。
- 父母の年収を調べる
- 父母の基礎年収を計算する
- 子供の生活費を計算する
- 養育費の月額を計算する
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
①父母の年収を調べる
養育費の金額を算出するうえで重要なのは、父母それぞれの年収を正確に把握することです。
年収を証明する資料としては、勤務先から取得した源泉徴収票や役所で取得できる課税証明書などがあります。
養育費算定の前提となる父母の年収は、税金や社会保険料などが控除された手取り額ではなく、控除前の総支給額となる点に注意が必要です。
なお、父母のいずれか、または双方が自営業者の場合は、前年度の確定申告書に記載された「課税される所得金額」(諸経費を控除した後の金額)に実際に支出していない経費等を改めて加算した金額を年収とします。
専業主婦(夫)は収入0とは限らない
基本的には、実際の収入が基準になりますが、元配偶者が働こうと思えば働ける状況にありながら、本人の意志で働いていないような場合には、公平性を保つため、働ける状況にある元配偶者には一定の収入があるとみなされ、養育費が算定される場合があります。
②父母の基礎収入を計算する
養育費は、父母の年収から一定の経費を差し引いた基礎収入を基に算出されます。
基礎収入とは?
総収入から税金、住居費、職業費などの特別経費を控除した収入のことです。
基礎収入を考慮せずに総収入を基に養育費を計算してしまうと、特別経費や養育費の支払いで生活が困窮するおそれがあり、養育費の計算では、基礎収入を正しく求めることが重要です。
基礎収入は、確定した年収に対して、給与所得者・自営業者それぞれに定められた基礎収入割合を乗じることで計算できます。
基礎収入割合については、下表をご参考ください。
給与所得者の場合 | 自営業者の場合 | ||
---|---|---|---|
給与収入(万円) | % | 事業収入(万円) | % |
0~75 | 54 | 0~66 | 61 |
~100 | 50 | ~82 | 60 |
~125 | 50 | ~98 | 59 |
~175 | 44 | ~256 | 58 |
~275 | 43 | ~349 | 57 |
~525 | 42 | ~392 | 56 |
~725 | 41 | ~496 | 55 |
~1325 | 40 | ~563 | 54 |
~1475 | 39 | ~784 | 53 |
~2000 | 38 | ~942 | 52 |
~1046 | 51 | ||
~1179 | 50 | ||
~1482 | 49 | ||
~1567 | 48 |
例:総収入500万円の場合の基礎収入
- 給与所得者:500万円×42%=210万円
- 自営業者:500万円×54%=270万円
③子供の生活費を計算する
父母の基礎収入が計算できたら、次に子供の生活費指数を用いて子供の生活費を計算します。
子供の生活費の計算式
義務者(※)の基礎収入×子供の生活費指数の合計÷(100+子供の生活費指数の合計)
(※)養育費を支払う側
生活費指数とは、家庭の中で一人ずつに割り当てられるべき生活費の割合であり、以下のように定められています。
- 親:100
- 0~14歳の子供:62
- 15歳以上の子供:85
例:義務者の基礎収入270万円、0~14歳の子供1人の場合の子供の生活費
270万円×62÷(100+62)=103万3333円
④養育費の月額を計算する
子供の生活費が算出できたら、養育費の月額を求めます。
養育費の計算式
子供の生活費×{義務者の基礎収入÷(権利者(※)の基礎収入+義務者の基礎収入)}÷12ヶ月
(※)養育費を受け取る側
では、義務者の年収400万円の場合と、600万円の場合の具体的な養育費の計算例を見ていきましょう。
なお、6歳の子供1人、権利者の年収は300万円で、父母どちらも給与所得者とします。
年収400万円の場合
- 義務者の基礎年収:400万円×42%=168万円
- 権利者の基礎収入:300万円×42%=126万円
- 子供(6歳)の生活費:168万円×62÷(100+62)=64万2962円
- 養育費の月額:64万2962円×{168万円÷(126万円+168万円)}÷12ヶ月=3万617円
年収400万円の養育費の相場については、以下のページで詳しく解説しています。
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年収600万円の場合
- 義務者の基礎年収:600万円×41%=246万円
- 権利者の基礎収入:300万円×42%=126万円
- 子供(6歳)の生活費:246万円×62÷(100+62)=94万1481円
- 養育費の月額:94万1481円×{246万円÷(126万円+246万円)}÷12ヶ月=5万1882円
年収600万円の養育費の相場については、以下のページで詳しく解説しています。
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養育費算定表による養育費の計算方法
養育費の計算は実際に行うと非常に複雑なため、家庭裁判所が公表している養育費算定表を用いて算定することをおすすめします。
養育費算定表とは?
家庭裁判所が公表している、標準的な養育費の金額を簡易・迅速に算出できる早見表です。
子供の人数や年齢に応じて9種類の表が用意されており、家族構成にあった表を選択して父母の年収の交差点を確認すると、養育費の相場が簡単に把握できます。
ただし、養育費の相場は「〇万円」と明確に決まっているわけではなく「2万~4万円」といった幅のある金額となっており、実際には父母の個別事情に応じて具体的な金額を話し合っていくことになります。
養育費算定表を使用した計算例
養育費算定表を使用し、具体的な金額を算出してみます。
(例)父親(会社員)の年収が500万円、母親は無職(年収0円)、子供の年齢は0歳、離婚後は母親が監護権、親権を持つ場合
図のように算定表に照らし合わせると、養育費の月額は6万~8万円となります。

平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について
算定表に該当しないケース
養育費算定表は、すべてのケースに対応しているわけではありません。
例えば、算定表は夫婦の子供が3人までの場合を想定しており、実際に子供が4人以上いる夫婦には使用できず、養育費の複雑な計算が必要です。
また、夫婦の一方、あるいは双方の収入が算定表に記載されているよりも多い場合(給与所得者で義務者の年収が2000万円以上、権利者の年収が1000万円以上)も、ただちに算定表が使用できないわけではありませんが、養育費については計算式を用いて算定する場合もあります。
養育費の計算で弁護士に相談した方が良いケース
養育費の計算は養育費算定表を使ってご自身でも行うことができますが、あくまでも相場であり、個別の事情によって、養育費は増額したり減額したりします。
どのような理由から養育費が増額・減額するのでしょうか。見ていきましょう。
- 子供が4人以上いる場合
- 夫婦の一方または双方の年収が高い場合
- 子供が私立校や大学に進学した場合
- 塾や習い事の費用がある場合
- 義務者も子供を養育している場合
このような事情がある場合は、養育費の相場よりも増額・減額する可能性があります。弁護士に依頼して適切な養育費の金額を算出してもらうと良いでしょう。
養育費の計算についてお悩みの場合は弁護士へご相談ください
養育費は算定表を使用すれば簡単に月額の相場を算出することができます。
しかし、適切な養育費を算出したい、算定表には当てはまらず使用できないといった場合には、私たち弁護士法人ALGにご相談ください。
養育費は子供を監護・養育するために大切な費用です。
個別事情によっては養育費が増額する場合もありますので、まずは一度ご相談いただき、適切な養育費の金額を算出してみることをおすすめします。
また、弁護士は養育費を算出するだけでなく、代理人として相手方と養育費の交渉にも尽力いたします。
養育費については、まずは一度私たちにご相談ください。
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保有資格 弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)