任意整理のメリット・デメリットを弁護士がわかりやすく解説
返済しても借金がなかなか減らないときは任意整理で解決できる可能性がありますが、メリットやデメリットもあります。
任意整理は、債権者との交渉によって利息をカットし、支払回数を増やすことで借金の負担を軽減できるメリットがあります。
ただし、交渉が必ずしも成功するとは限らず、信用情報に傷がつくなどのデメリットもあるため、慎重な判断が必要です。
この記事では任意整理のメリット・デメリットを解説していきます。
任意整理がご自身に適した方法なのか、ご検討の際にお役立ていただければ幸いです。
目次
任意整理のメリット
任意整理とは、利息のカットや返済期間の延長について債権者と直接交渉して、月々の返済額や返済総額の負担軽減を図る手続きです。
任意整理は個人再生や自己破産よりも柔軟な対応が可能で、借金に悩む多くの方が選ぶ方法です。
ただし、次のようなメリットがあります。
- 利息がカットされ、返済総額を減額できる
- 完済の見通しが立つ
- 債権者からの督促が止まる
- 会社や家族に知られるリスクが低い
- 整理する債務を選べる
- 手続きと費用の負担が少ない
- 借金の理由は問われない
①利息がカットされ、返済総額を減額できる
任意整理の最大のメリットは、利息カットによって借金の返済総額を減額できる可能性がある点です。
任意整理では、交渉次第で将来利息や遅延損害金をカットできるケースがあります。これにより、元金のみの返済となれば返済総額の減額につながります。
| 将来利息 |
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|---|---|
| 経過利息 |
|
| 遅延損害金 |
|
※利息や遅延損害金は必ずカットできるとは限りません
②完済の見通しが立つ
任意整理を行うにあたり、利息のカットとあわせて返済期間を見直すことで完済の見通しが立てられるようになります。
任意整理を検討されている方のなかには「毎月、利息分しか払えなくて完済の目途が立たない」とお困りの方も多いです。
任意整理では一般的に、利息がカットされた元金を3年(最長5年)で分割返済するという内容で和解交渉がまとまるケースが多いので、完済の見通しが立つほか、毎月の返済の負担軽減にもつながります。
③債権者からの督促が止まる
弁護士などの専門家へ任意整理を依頼すると、債権者からの督促を一時的に止めることができます。
これは、専門家から債権者に受任通知が送付されるためです。
受任通知を受けた債権者は以降、直接債務者と連絡を取ることが法律上禁じられているので、受任通知が送付されて一週間ほどすると、債権者からの督促や取り立てがストップします。
また、任意整理手続きが完了するまでは、債権者とのやり取りも専門家に一任できるので、不安やストレスから解放されます。
④会社や家族に知られるリスクが低い
任意整理はほかの債務整理手続きと比較して、会社や家族に知られるリスクが低いです。
その理由として、次の2つが挙げられます。
- 官報に掲載されない官報とは、裁判所での決定事項などが掲載されている、国が発行する広報誌です。
裁判所を介する個人再生や自己破産では、住所や氏名が官報に掲載されるのに対し、任意整理は裁判所を介さない手続きなので、官報に掲載されて周囲に知られることがありません。 - 会社や家族の協力が得られなくても手続きが行えるほかの債務整理手続きでは、裁判所へ提出する資料のなかに会社や家族の協力が必要なものもありますが、任意整理ではその必要がないので、周囲に知られるリスクは低いです。
弁護士に、「周囲に知られたくない」と伝えておけば、郵便やメールなど配慮した対応をしてもらえます。
⑤整理する債務を選べる
任意整理は、債務整理したい債権者を選んで手続きができるので、財産を手放さずに済みます。
ほかの債務整理手続きでは債務整理したい債権者を選べないので、ローンの返済が残っている車や持ち家は基本的に手放すしかありません。
一方、債務整理では、自動車ローンや住宅ローンを任意整理の対象から外すことで、車や持ち家を手放さずに済みます。
また、自己破産のように高額な財産が回収されることもありません。
債務整理したい債権者を選べるので、保証人がついた債務を対象から外すことで、保証人への影響も回避できます。
⑥手続きと費用の負担が少ない
任意整理は、手続きが比較的簡単で、費用の負担も少なく済みます。
任意整理であれば、裁判所への申立てが必要なく、債権者との和解が成立すれば手続きが完了します。
弁護士に依頼すれば、債権者との交渉はもちろん、債務の調査や合意書の作成といった手続きも任せることが可能です。
また、裁判所費用が必要ない分、ほかの債務整理よりも費用が比較的少なく済む傾向があります。
一般的に、任意整理を弁護士に依頼した場合、債権者1社あたり5万~15万円程度の弁護士費用が必要といわれています。
具体的な金額は任意整理する債権者の数や依頼する弁護士によって異なりますが、弁護士費用以外の費用が必要ないというのもメリットのひとつです。
⑦借金の理由は問われない
任意整理では借金の理由は問われないので、ギャンブルや浪費などによる借金でも和解できる可能性があります。
自己破産の場合、ギャンブルや収入に見合わない浪費などが理由の借金は免責不許可事由に該当するので、裁判所に免責が認められなかったり、調査が必要になったりと手続きが複雑になりがちです。
任意整理では、借金の理由がギャンブルや浪費であっても、返済できる見込みがあれば、債権者と話し合って返済方法を決められます。借金の理由に不安がある場合でも、安心して任意整理の手続きが行えるでしょう。
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任意整理のデメリット
任意整理は周囲に知られにくく、柔軟に借金を減らせる可能性があるなどメリットが大きい一方で、元金までは減額されず、信用情報への影響など、デメリットもあることを知っておきましょう。
任意整理の代表的なデメリットは、次のとおりです。
- ブラックリストに掲載される
- 借金の元金は減額されない
- 交渉に応じてもらえるとは限らない
①ブラックリストに掲載される
任意整理をすると、信用情報機関(JICC・CIC・KSC)に事故情報として掲載されます。
この状態をブラックリストに載る、信用情報に傷がつくといい、事故情報が掲載されている期間はクレジットカードの利用や新たな借入れができないなど、次のような制限が生じます。
- クレジットカードの利用、新規作成ができない
- ローンやキャッシングなど、新たな借入れができない
- 保証人になれない
- 携帯電話やスマートフォンの端末を分割払いで購入できない
- 賃貸契約ができない場合がある
ブラックリストへの掲載は任意整理に限らず、個人再生や自己破産でも同様です。
任意整理の場合は通常、完済後から5年程度でブラックリストから事故情報が削除されます。
②借金の元金は減額されない
任意整理で減額できる可能性があるのは将来利息や遅延損害金なので、借金が大幅に減額されるわけではありません。
個人再生のように元金が大幅に減額されることも、自己破産のように借金の返済義務が免除されることもないので、任意整理しても基本的には元金の返済義務は残ります。
利息が減額される分、返済総額は減りますが、元金が完済できるまで3~5年かけて毎月返済し続ける必要があります。
利息のカットや返済期間の延長だけでは完済できそうにない場合は、ほかの債務整理手続きも検討しましょう。
③交渉に応じてもらえるとは限らない
任意整理は、あくまで話し合いによる手続きなので、債権者が合意してくれないと手続きが進められません。
債権者には任意整理に応じる法的義務がないため、会社の方針などにより交渉自体を拒まれるケースもあります。
とくに、次のようなケースでは任意整理に応じてもらえない傾向があります。
- 取引期間が極端に短い場合
- 借入れ後すぐに滞納している場合
- 一度も返済実績がない、あるいは返済実績がほとんどない場合
- 収入がない、あるいは収入が少ない場合
- 債務に担保権が設定されている
- すでに財産が差し押さえられている
- 過去にも任意整理を行っている
このように、すべての債権者が任意整理に応じてくれるとは限りません。
任意整理に応じてくれない債権者がいる場合は、交渉に応じてくれる債権者とだけ任意整理を行うか、任意整理以外の債務整理の方法(個人再生や自己破産)を検討する必要があります。
任意整理した方が良い人はどんな人?
任意整理に向いているのは、借金が比較的少額で、一定の収入がある人です。
とくに、次のいずれかに該当する人は任意整理によるメリットが大きいので、債務整理手続きのなかでも任意整理を優先的に検討してみましょう。
- 安定した収入があって、借金の元金を3~5年程度で完済が見込める人
- 車や持ち家などの財産を残したまま債務整理をしたい人
- 債務整理をすることで保証人に迷惑をかけたくない人
- 周囲に知られずに債務整理をしたい人
- 複数の借入れがある人
- 毎月の返済で生活が苦しく、返済が遅れそうな人
- すでに滞納している借金がある人 など
任意整理をしない方がいいケース
任意整理しない方がいいケースとして、借金の総額が大きすぎたり、安定した収入が見込めなかったりするほか、金利の低い借入れが中心の場合などが挙げられます。
具体的なケースは、次のとおりです。
- 借金の総額が大きく、3~5年程度では完済の目途が立たない場合
- 元金を3~5年以内に完済できるだけの収入が見込めない場合
- 返済実績がほとんどない場合
- 奨学金や住宅ローンなど、もともと金利の低い借入れが中心の場合
- すでに給料や財産を差し押さえられている場合
上記のいずれかに該当するケースでは、任意整理をしても効果がほとんどなかったり、そもそも任意整理ができなかったりするので、自己破産や個人再生といった、任意整理以外の債務整理手続きを検討しましょう。
以下のページでは、自己破産や個人再生の手続きについて詳しく解説しています。
あわせてご参考ください。
任意整理を弁護士に相談・依頼するメリット
任意整理の交渉を任せることができる
任意整理を弁護士に依頼すると、債権者との和解交渉を任せることができます。
任意整理で利息カットや返済期間の延長により借金を減額できるかは、交渉次第です。
弁護士が知識や経験に基づいて交渉をすれば、将来利息だけでなく、経過利息や遅延損害金の減額が実現したり、過払い金の返還が受けられたりして、より有利な条件で和解できる可能性が高まります。
任意整理で和解できなかった場合は、個人再生や自己破産への移行も検討しなければなりませんが、弁護士であれば任意整理以外の債務整理手続きについても適切なアドバイス、サポートが可能です。
無理のない返済計画を立てることができる
任意整理を弁護士に相談・依頼すれば、無理のない返済計画を立てることができます。
実現が不可能な返済計画は、任意整理が失敗する原因となりかねません。
ご自身の収入や借金の状況について弁護士としっかり相談しながら、無理のない返済計画を立ててみましょう。債権者も和解に応じやすくなり、任意整理の手続きをスムーズに進められる可能性が高まります。
手続きの時間や手間がかからない
任意整理を弁護士に相談・依頼することで、手続きにかかる時間や手間などの負担軽減につながります。
任意整理手続きでは、債権者との和解交渉のほかにも、債権者に対する取引履歴の開示請求や、過払い金・元金の残高を確認するための引き直し計算など、さまざまな手順を踏まなければなりません。
任意整理は専門的な知識が必要なため、自分だけで進めようとすると時間がかかってしまいます。
弁護士に依頼すると煩雑な手続きを全て任せられ、労力面や精神面で負担を感じずに任意整理を進めることができます。
任意整理すべきかお悩みなら、債務整理に詳しい弁護士にご相談ください
任意整理は、比較的簡易な手続きで借金の軽減を目指すことができます。
ほかの債務整理手続きに比べてリスクが小さいとはいえ、デメリットがゼロというわけではありません。
任意整理で失敗しないためには、どのようなメリット・デメリットがあるのかを知っておくことが大切です。
任意整理するべきか悩まれている方は、一度弁護士法人ALGまでご相談ください。
まずは、現在どのようなことでお困りなのかを丁寧に伺い、そもそも任意整理を行うべきか、任意整理をするのであればどのような点に注意すべきかをアドバイスいたします。
任意整理以外の債務整理手続きをサポートすることもできますので、まずはお気軽にお問合せください。
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監修:弁護士 谷川 聖治 / 弁護士法人ALG&Associates福岡法律事務所 所長
監修:弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates 福岡法律事務所 所長
保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)
福岡県弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ 名を擁し()、東京、を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。