リボ払いは任意整理できる?メリット・デメリットや費用など

リボ払いは任意整理できる?メリット・デメリットや費用など

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監修
監修弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates福岡法律事務所 所長 弁護士

いつの間にかクレジットカードのリボ払いが膨らんで、「なかなか返済が終わらない」と悩む方は少なくありません。

リボ払いがなかなか終わらない場合も、借金と同じように任意整理によって返済の負担を軽減できる可能性がありますが、ブラックリストに登録されるなどのデメリットを伴うため、慎重に検討する必要があります。

本記事では、リボ払いは任意整理できるかどうかについて、メリット・デメリットを交えながら解説していきます。

手続きにどのくらい費用がかかるのかも紹介しますので、リボ払いに悩まれている方はぜひ参考になさってください。

リボ払いは任意整理できる?

リボ払いは、任意整理で返済の負担を軽減できる可能性があります

そもそも任意整理とは?

任意整理とは、裁判所を介さずに、直接債権者と交渉して返済条件を見直す手続きです。

無理なく返済していけるように、利息のカットや返済期間の延長について交渉し、返済の負担軽減を目指します。

任意整理でリボ払いの手数料がカットできれば、元金だけを3~5年で分割返済すればよくなるので、無理なく完済が目指せるようになります。

以下のページでは、任意整理を利用できる条件やほかの債務整理の方法との違いについて解説しています。
ご参考ください。

さらに詳しく任意整理とは?メリット・デメリットや手続きの流れ、費用相場など

リボ払いの返済額が減らないからくり・仕組み

リボ払い(正式にはリボルビング払い)とは、クレジットカードの利用金額や件数に関係なく、毎月あらかじめ決めた一定額を支払う仕組みのことです。

主に使われているのは定額方式で、これはさらに2つに分かれます。

  • 元金だけを毎月一定額ずつ返す元金定額方式
  • 元金と手数料を合わせて一定額ずつ返す元利定額方式

このほか、利用残高に応じて毎月の支払額が変わる残高スライド方式が使われることもあります。

どの方式でも、毎月の支払額を自分で設定できるため、家計の管理がしやすいというメリットがあります。

ただし、利用残高に応じて手数料(利息)がかかるため、支払総額が高くなりやすく、元金がなかなか減らないというデメリットもあります。

リボ払いのメリット・デメリット

メリット
  • 毎月の支払いが一定額で家計の管理がしやすい
  • 急な出費や高額な買い物に対する負担が小さい
  • 繰り上げ返済や一括返済もできる
デメリット
  • 手数料が必要になり、支払総額が増える
  • 返済が長期化しやすい
  • 利用残高を把握しにくい

まずは、リボ払いの仕組みをしっかり理解し、「なぜ返済が終わらないのか?」という疑問を一緒に見ていきましょう。

手数料の利率が高い

リボ払いの手数料は15~18%と、利率が高く設定されていることが多いです。
毎月の利用残高に応じて高い利率がかかるので、結果的に支払総額が高額になりがちです。

例えば、リボ払いの利用残高が50万円、手数料率が15%の場合、手数料は6164円になります。

式:50万円×15%÷365日×利用日数30日=6164円

これを元金定額方式で毎月2万円支払うとすると、最終的に約8万円もの手数料を支払う必要があります。

当然ながら、既存の利用残高がある場合や追加の利用があった場合には、手数料は上記金額よりも高額になります。

このように、手数料が高くなるほど支払総額も高くなって、「なかなか返済が終わらない」という状況に陥りやすくなるのです。

毎月の支払額が低いため返済が長期化しやすい

リボ払いでは、毎月の支払額があらかじめ低めに設定されていることが多く、月々の負担が軽く感じられるのが特徴です。

しかしその一方で、支払額が少ない分、支払いの多くが手数料に充てられてしまい、元金(借りたお金の本体)がなかなか減らないという落とし穴があります。その結果、返済が長引いてしまうケースが少なくありません。

また、クレジットカードでたくさん買い物をしても、毎月の支払額は変わらないため、気づかないうちに利用残高が大きく膨らんでしまうこともあります。

利用残高が増えるほど手数料も増えるため、「払っても払っても元金が減らない」と感じる方も多いのです。

もし、「毎月きちんと払っているのに、なぜかリボ払いが減らない」と感じたら、リボ払いの設定を見直したり、任意整理などの債務整理を検討したりするタイミングかもしれません。

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リボ払いを任意整理するメリット

なかなか減らないリボ払いを任意整理すると、次のようなメリットがあります。

  • 督促が止まる
  • 利息カットで返済額が減る
  • 月々の返済額を減らせる

なお、任意整理のメリット・デメリットについては、以下のページで詳しく解説しています。
任意整理が向いている人も紹介していますので、ぜひ参考になさってください。

さらに詳しく任意整理のメリット・デメリットを解説!どんな人に向いている?

督促が止まる

任意整理を弁護士に依頼すると、受任通知の送付によってカード会社からの督促が止まります

受任通知とは?

受任通知とは、弁護士が代理人となって任意整理を行うことを伝える書面のことです。

法律上、受任通知を受け取った債権者は債務者と直接連絡を取ることが禁止され、督促を停止することが定められています。

リボ払いの支払いが滞ると、カード会社からの督促が届き、家族や職場に知られるのではと不安になる方もいます。対処法が分からず悩み、精神的に負担を感じるケースも少なくありません。

受任通知が送付されると、債権者からの直接の連絡や督促のほか、リボ払いの支払いも一時的にストップします。

そのため、心の平穏を取り戻すのと同時に、任意整理に向けた準備を落ち着いて進められるようになります。

利息カットで返済額が減る

リボ払いを任意整理すると、将来利息(手数料)をカットできる可能性があります。

リボ払いの手数料は15~18%と利率が高いので、毎月返済していてもその多くが手数料の返済に充てられてしまい、思うように元金が減らないケースが少なくありません。

任意整理で手数料をカットできれば、元金だけを返済すればよくなるので最終的な返済額を大幅に減らせます。

例えば、リボ払いの利用残高が100万円、手数料率が15%の場合、最終的に支払うことになる手数料は約31万円です。

これを任意整理して、元金だけを5年で分割返済するという内容で和解できれば、月々の返済を3000円、支払総額を約31万円減らすことができます。

リボ払いを続けた場合 任意整理をした場合
返済回数 50回(4年1ヶ月) 60回(5年)
月々の返済額 2万円 約1万6667円
返済総額 131万6751円 100万円
うち手数料 31万6751円 0円

月々の返済額を減らせる

任意整理を行うことで、利息のカットや返済期間の延長によって月々の返済額を減らせる可能性もあります。

リボ払いの多くは毎月の支払額が変更できるようになっていますが、支払額を減らした場合、利用残高とともに手数料も増えて、現状以上に支払いが終わらない状態が続くことになりかねません。

一方、任意整理では、収入や支出などを踏まえて、無理なく完済できるように月々の返済額や返済期間を見直して債権者と交渉することで、月々の返済額が減って、生活の立て直しにつなげることができます。

リボ払いを任意整理するデメリット

リボ払いを任意整理すると返済の負担軽減が期待できる反面、次のようなデメリットも伴います。

  • ブラックリストに登録される
  • クレジットカードが使えなくなる
  • 元金は減らない
  • 購入した商品が引き上げられる可能性がある

任意整理を選んで後悔しないためにも、これらのデメリットについてしっかりと確認しておきましょう。

ブラックリストに登録される

リボ払いに限らず、任意整理をすると信用情報機関(JICC・CIC・KSC)に事故情報が登録され、次のようなことが制限されます。

  • クレジットカードの新規作成・利用
  • ローンやキャッシングなどの新たな借り入れ
  • スマートフォンや携帯電話端末の分割払い購入
  • 借金や奨学金の保証人になること
  • 賃貸借契約(一部)

事故情報は、任意整理後に債務を完済して5年ほど経過すると削除されますが、一定期間は不自由を感じることがあるので注意しましょう。

クレジットカードが使えなくなる

リボ払いを任意整理すると、そのクレジットカードは強制解約されて使えなくなります。

また、本カードに紐づく家族カードやETCカードも同時に利用できなくなります

リボ払いを含む、ほぼすべての借金の返済が免除される反面、財産の処分や職業制限など多くのデメリットを伴うのが自己破産の特徴です。

そのため、公共料金などをクレジットカード払いにしている場合は、滞納にならないようにあらかじめ支払方法を変更しておく必要があります。

なお、任意整理の対象外としたクレジットカードは、しばらくの間は使い続けることができるものの、更新などのタイミングで、審査が通らず利用停止になるケースもあるので注意しましょう。

元金は減らない

リボ払いを任意整理しても、元金までは減らないことがほとんどです

任意整理によって減額できる可能性があるのはリボ払いの手数料で、交渉次第では遅延損害金をカットしてもらえる場合もありますが、元金はそのまま支払義務が残ります

もしも利用残高を3~5年で返済できないようであれば、任意整理以外の債務整理の方法(個人再生・自己破産)を検討しなければなりません。

購入した商品が引き上げられる可能性がある

リボ払いを任意整理すると、購入した商品が引き上げられてしまう可能性があります

というのも、リボ払いで購入した商品の所有権は、支払いが完了するまではカード会社にあることが多いためです。

とくに高額商品をリボ払いで購入している場合、支払いが終わる前に任意整理するとその商品がカード会社に引き上げられる可能性が高いので注意しましょう。

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リボ払いの任意整理を検討した方が良いケース

リボ払いの任意整理を検討した方がよいのは、次に挙げるいずれかのケースに当てはまる方です。

  • 毎月の返済が厳しい
  • すでに滞納してしまっている
  • 他の借金も抱えている

それぞれ詳しくみていきましょう。

毎月の返済が厳しい

リボ払いや、そのほかの借金が積み重なって「毎月の返済が厳しい」と感じている場合、任意整理を検討した方がよいでしょう。

とくに、収入の大部分を返済に充てている状況であれば、リボ払いを任意整理することで毎月の返済を減らせる可能性があります。

毎月の返済がラクになれば、経済面でも精神的にもゆとりが生まれ、生活の立て直しにつながります。

すでに滞納してしまっている

リボ払いの支払いをすでに滞納してしまっている場合でも、任意整理することができます

滞納したまま放置してしまうと、遅延損害金が発生したり、カード会社から督促されたりするおそれがあります。

それだけでなく、2ヶ月以上滞納してしまうと、ブラックリストに登録されて、カード会社から一括請求を受けるリスクも高まります。

リボ払いの滞納が長引くほど、返済の負担が大きくなるなど状況はどんどん悪化していくため、早期に任意整理をして解決することが大切です。

他の借金も抱えている

リボ払いだけでなく、ほかの借金を抱えている場合も早めに任意整理で負担の軽減を図りましょう

ほかのクレジットカードの分割払い、消費者金融や銀行からの借り入れ、滞納している家賃などがある場合、借金の状況を把握しきれず、計画的に返済していくのは容易なことではありません

とくに、住宅ローンや自動車ローンがあると、返済が滞ることによって自宅や車を失うことになりかねません。

任意整理は、ほかの債務整理の方法と異なって唯一、手続きの対象を選ぶことができるので、リボ払いを任意整理して、減額された手数料分をほかの借金の返済に充てるなどの解決を図ることができます。

リボ払いの任意整理にかかる費用

任意整理は裁判所を介さない手続きですが、債権者と直接交渉するため、ほとんどの方が弁護士に依頼しています。

リボ払いの任意整理を弁護士に依頼した場合、カード会社1社あたり5~15万円程度の弁護士費用がかかります。

ただし、弁護士費用は依頼する弁護士によって異なるので、費用が気になる場合はウェブサイトで確認したり、無料相談を利用したりして、事前に確認しておくと安心です。

収入や財産が少ない方であれば、法テラスを利用して費用を立て替えてもらう方法もあります。
弁護士によっては費用の分割払いが可能な場合もあるので、金額とあわせて確認してみるのもよいでしょう。

任意整理のほかにリボ払いでおすすめの債務整理

リボ払いを任意整理したいと思ってもクレジットカード会社が応じてくれない場合や、利用残高が高額で任意整理しても完済できる見通しが立たない場合は、任意整理以外の債務整理を検討する必要があります。

リボ払いでおすすめの債務整理は個人再生または自己破産です。

個人再生と自己破産は、いずれも裁判所を介して債務を減額・免除してもらう方法で、任意整理よりも大幅にリボ払いの残高を減らせる可能性があります

個人再生

個人再生とは、裁判所を介して借金を元金ごと1/5~1/10程度まで大幅に減額してもらい、残りを3~5年で分割返済する手続きです。

借金が完全にゼロにならない代わりに、住宅などの財産を手放さずに済むのが個人再生の特徴です。

リボ払いの個人再生を検討すべきケース

  • リボ払いを含めた借金の総額が100万円以上あって任意整理が難しい場合
  • ローン返済中の持ち家を手放したくない場合
  • 借金の原因が「収入に見合わない浪費」などで自己破産の免責不許可事由に該当する場合
  • 自己破産で職業制限を受ける場合 など

自己破産

自己破産とは、裁判所に「支払不能な状態である」と認めてもらい、借金の返済義務を免除してもらう手続きです。
リボ払いを含む、ほぼすべての借金の返済が免除される反面、財産の処分や職業制限など多くのデメリットを伴うのが自己破産の特徴です。

リボ払いの自己破産を検討すべきケース

  • リボ払いを含めた借金の総額が5000万円を超えている場合
  • 自力での返済がまったく見込めない場合
  • 安定した収入がない場合
  • 生活保護を受給している、または受給予定の場合 など

以下のページでは、自己破産のデメリットについて解説しています。
ご参考ください。

さらに詳しく自己破産の7つのデメリット|影響やよくある誤解を弁護士が解説

リボ払いの任意整理は弁護士にご相談ください

クレジットカードのリボ払いは月々の支払いが一定額なので、毎月いくら利用しているのか把握しづらく、手数料の利率が高いことから、利用残高が予想以上に膨らんでしまうことが珍しくありません

なかなか減らないリボ払いについて任意整理を検討している方は、一度弁護士に相談してみましょう。

債務整理に詳しい弁護士であれば、リボ払いを任意整理すべきか、ほかの解決策があるかを、個々の状況にあわせて判断してアドバイスすることが可能です。

また、弁護士に依頼すれば、すぐに督促や返済をストップできるので心の平穏を取り戻しつつ、安心して手続きが進められるようになります。

リボ払いについて悩みや不安を抱えていらっしゃる方は、状況が悪化してしまう前に、早めに弁護士法人ALGまでご相談ください。

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監修:弁護士 谷川 聖治 / 弁護士法人ALG&Associates福岡法律事務所 所長

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