セクハラ被害の慰謝料の請求は弁護士法人ALGへ
セクハラ被害を訴える流れとは?解決に導くためのポイントを解説


セクハラ被害に遭い、会社に相談しても満足な対応をしてもらえなかったり、自分自身でセクハラ加害者や会社に慰謝料請求について交渉しても折り合いがつかなかったりした場合は、セクハラ加害者や会社を訴える方法があります。
訴える方法には、「裁判(訴訟)」と「労働審判」の2つがあります。
裁判もしくは労働審判で責任追及すれば、最終的な解決が目指せます。
そこで、本記事では、主に“裁判(訴訟)でセクハラを訴える際の流れ”と“労働審判でセクハラを訴える際の流れ”などを詳細かつわかりやすく解説します。
セクハラ被害に遭って訴えたいとお考えの方は、ぜひご参考ください。
目次
セクハラ被害を訴える2つの方法
セクハラ被害に遭って訴えたいと考えた場合は、「裁判(訴訟)」と「労働審判」の2つの方法があります。
セクハラの責任は、当然ながらセクハラ行為を実際に行った加害者にありますが、セクハラを予防せずに放置した会社にも法的責任がありますので、訴えることができる場合があります。
ただし、軽度のセクハラ被害では、裁判や労働審判で訴えても、得られる利益以上の時間やお金がかかって終わる場合もあります。
裁判や労働審判を行って訴えるべきかどうかは次のような判断基準を参考にするのが有用です。
- セクハラ被害を受けた回数が多い
- セクハラ被害を受けた期間が長い
- セクハラの態様が悪質である
- セクハラに耐え切れずに退職した
- セクハラ被害でうつ病やPTSDなどの精神疾患を患った
- セクハラ被害にあっても会社が適切な対応をしてくれない
セクハラを訴えても会社が対応してくれないときの対処法について、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
裁判(訴訟)
裁判(訴訟)とは、裁判官が当事者双方の主張について、それを基礎づける、証拠を調べたりして、原告(訴えた側)の請求が認められるか判決を出して紛争の解決を図る手続きをいいます。
解決するための方法は様々ありますが、裁判は「最終手段」といえます。
セクハラ問題の裁判は、事実認定が大変なので、結果が出るまでに長期間かかる傾向にあるのが特徴です。
労働審判
労働審判とは、労働者と会社との間に発生したセクハラをはじめとする労働に関する紛争について、時間をかけずに解決するための手続きです。
あくまでも、労働者と会社との間で発生した労働に関する紛争を解決するためのものなので、セクハラ加害者個人に対して労働審判を起こすことはできません。
基本的に3回以内の期日で終了するため、だいたい3ヶ月以内に終了することが多く、迅速な解決を目指すことができます。
裁判(訴訟)でセクハラを訴える際の流れ
裁判でセクハラ被害について訴えるときの主な流れは次のとおりです。
- 訴状の作成
- 裁判の提起
- 第1回口頭弁論期日
- 争点整理手続
- 証拠調べ・証人尋問
- 和解交渉
- 判決
次項よりそれぞれ詳しく解説していきましょう。
①訴状の作成
訴状とは、裁判をするにあたって、原告(セクハラ被害者)が裁判所に提出する訴えの内容や訴えを基礎づける事実などが記載された裁判書面をいいます。
訴状には次の事項を記載します。
- 原告の氏名・住所
- 被告(セクハラ加害者)の氏名・住所、被告会社名(法人名)・代表者名・住所(本店所在地)
- 請求の趣旨(請求する損害額など)
- 請求の理由(セクハラ行為の内容、セクハラ行為によって受けた損害と、その程度など) など
②裁判の提起
訴状を含む提出書類を裁判所に提出して裁判を起こします。
提出書類の提出先は、通常、被告(加害者本人または会社)の住所地(所在地)を管轄する裁判所になりますが、それ以外の裁判所に提訴できるケースも少なくありません。
請求する金額が140万円以下の場合は簡易裁判所、140万円以上の場合は地方裁判所が管轄になります。
裁判所に提出する提出書類は次のとおりです。
- 訴状
- 訴訟委任状(弁護士に委任した場合)
- 証拠説明書
- 証拠
- 訴訟手数料(収入印紙)
- 予納郵券
- 会社の商業登記簿謄本(会社を訴える場合)
③第1回口頭弁論期日
訴状が裁判所に届いて受理されると、第1回口頭弁論の期日が調整されます。
そして原告には期日呼出状が、被告には期日呼出状と原告が提出した訴状や証拠などが裁判所から送付されます。
被告は、送達された訴状を確認したうえで、期日の1週間前を目安にして答弁書を提出して反論します。
口頭弁論期日は、裁判官の指揮のもと公開の法廷で手続きが行われます。
原告・被告本人または代理人が出廷して、それぞれが主張や証拠を提出します。
④争点整理手続
2回目以降は弁論準備期日による争点整理がされることが一般的です。
弁論準備期日は、法廷ではなく、会議室のような弁論準備室と呼ばれる場所において、原則非公開で行われます。
原告・被告それぞれの主張の対立点を明らかにして、争点を整理していきます。
⑤証拠調べ・証人尋問
争点整理が終わると、争点の主張に対して真偽を判断するために証拠調べを行うことになります。
証拠調べとは、双方から提出された証拠の内容を確認したり、検証したりする手続きをいいます。
必要に応じて証人・本人尋問を実施して証拠調べをすることもあります。
証人・本人尋問とは、事件の関係者に対して、弁護士や裁判官が直接質問をして、質問した答えを証拠とする手続きをいいます。
セクハラ被害の裁判では、セクハラの当事者のほかにセクハラ行為を目撃した人などに証人尋問を行うケースもあります。
⑥和解協議
裁判中に裁判官から当事者に和解を促すことがあります。
一般的には双方の主張や証拠が出揃ったころや証人尋問が終わったころに、裁判所から和解を勧められます。
具体的には、金銭を交付すべきか否か、交付すべき金銭の名目や、その額について折り合いをつけることになります。
折り合いがついて和解が成立すれば、裁判は終了して紛争解決となります。
和解が成立すると確定判決と同一の効力を有する和解調書が作成されます。
⑦判決
審理が終結し和解も難しいときは裁判官が判決を下します。
判決では、原告の請求が認められるか否か、認められる場合の損害賠償額などを判断します。
原告・被告のいずれも判決に不服がある場合は、判決書を受け取ってから2週間以内に控訴することができます。
労働審判でセクハラを訴える際の流れ
労働審判でセクハラ被害について訴えるときの主な流れは次のとおりです。
- 申立書の提出
- 期日の指定
- 第1回労働審判期日
- 第2回労働審判期日
- 第3回労働審判期日
- 労働審判の終了
次項でそれぞれ詳しく解説していきましょう。
①申立書の提出
まず労働審判申立書を作成します。
申立書には、次の事項を記載します。
- 申立人(セクハラ被害者)の氏名・住所
- 相手方となる会社名(法人名)・代表者名・住所(本店所在地)
- 申立ての趣旨
- 申立ての理由
- 予想される争点に関する重要な事実
- 申立てに至った経緯の概要 など
申立書を作成したら、その他の提出書類と合わせて、管轄する地方裁判所に提出します。
裁判所に提出する提出書類は次のとおりです。
- 労働審判申立書
- 委任状(弁護士に委任した場合)
- 証拠説明書
- 証拠
- 申立手数料(収入印紙)
- 予納郵券
- 会社の商業登記簿謄本
②期日の指定
申立書をはじめとする提出書類を裁判所に提出して受理されると、裁判所より申立てから40日以内の日時に第1回労働審判期日の指定と呼び出しがあります。
③第1回労働審判期日
労働審判は、労働審判官(裁判官)1名、労働審判員(中立公平な立場の労働関係の専門家)2名で組織する労働審判委員会で手続きが進められます。
第1回労働審判期日では、事実に関する主張と証拠調べ、会社側が提出した答弁書への反論などが実施されます。
④第2回労働審判期日
第2回労働審判期日は、第1回労働審判期日の2週間~1ヶ月後に設定されます。
第1回期日で確認できなかった事実関係の確認や証拠調べをすることもありますが、ほとんどの場合は調停成立に向けての話し合いが中心になります。
基本的に第2回労働審判期日の終了後の追加書類や証拠の提出は認められていません。
⑤第3回労働審判期日
第2回までの労働審判期日で調停での話し合いで解決ができなかった場合に第3回労働審判期日が開催されます。
引き続き、話し合いを進めて調停での解決を試みます。
⑥労働審判の終了
労働審判の終了の仕方には、主に「調停成立」と「労働審判」と「裁判への移行」があります。
それぞれ次のとおりになります。
【調停成立】
労働審判委員会が介入して、話し合いによって解決する方法です。
調停が成立したら、調停で合意した内容が記載された調停調書が作成され、裁判上の和解と同一の効力をもちます。
【労働審判】
話し合いでは折り合いがつかず、調停不成立になると、労働審判委員会が一切の事情を考慮して労働審判を下します。
労働審判の告知方法には、主文および理由の要旨が記載された審判書を当事者に送達する方法と、全ての当事者が出頭する審判期日において、これを口頭で告知する方法があります。
そして、審判結果の内容に不服がある場合、前者では審判書を受け取ってから2週間以内に、後者では、口頭で審判の告知がされた日から2週間以内に、異議申立てをすることができます。
異議申立てがなければ審判が確定します。確定した労働審判の内容も裁判上の和解と同一の効力をもちます。
【裁判への移行】
審判結果の内容に不服があり、異議申立てをした場合は労働審判の効力を失い、通常の裁判へと移行します。
そのほかには、期日外での話し合いで和解が成立して労働審判事件が取り下げられるケースもあります。
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セクハラを訴えるときに重要なのは「証拠」
セクハラを訴える際は、セクハラ被害にあったことを証明する証拠をどれだけ集められるかが重要です。
裁判所は証拠を重視しており、セクハラ行為の事実はセクハラ被害者側が証明しなければならないのが基本ルールです。
例えば、次のような証拠を集めると有用です。
- セクハラ加害者との間でやりとりしたメールやLINEのやりとり
- セクハラ発言をされているときに録音した音声データ
- セクハラ被害に遭っているときに撮影した動画データ
- セクハラの被害状況を具体的に記した日記やメモ
- セクハラ被害の目撃者の証言
- 医師の診断書、通院記録
- 会社や警察への相談記録
多くのセクハラは密室で行われ、第三者にばれないようにして行われるケースが多いので、セクハラ被害に遭っている自分自身で証拠を集める必要があります。
また、ひとつの証拠自体に証明力が弱くても、証拠を積み重ねていくことによって強力な証拠になり得ます。そのため、手持ち証拠は十分に吟味して提出する必要があります。
セクハラ被害に遭ったときの有効な証拠については、下記ページで詳しく記載していますので、ぜひご覧ください。
一方でセクハラ被害に遭ったのに証拠がない場合については、下記ページで詳しく記載していますので、ぜひご覧ください。
セクハラを訴える際に弁護士のサポートを受けるメリット
セクハラを訴えたいとお考えの方は、弁護士のサポートを受けて進めることをお勧めします。
弁護士に依頼すれば、次のようなメリットがあると考えられます。
- 裁判や労働審判に備えて証拠の準備がスムーズになる
弁護士は、法律の専門的知識や経験に基づいて、証拠の収集方法等についてアドバイスできますので、裁判や労働審判が有利に進む可能性が高まります。また、弁護士会照会を活用して弁護士にしかできない方法で証拠収集できる場合もあります。
- 法律に基づいた主張や書面作成ができる
裁判や労働審判では、法的観点から整理されたかたちで適切に主張を組み立てなければいけません。
また書面の体裁や書き方にもルールがあります。
弁護士に依頼すれば、適切な主張や書面作成が一任できるので安心です。
- 有利な結果になる可能性が高まる
弁護士は、身に付けた法的知識とスキルを活かして、セクハラ被害者の話と証拠を吟味して、訴えが認められやすい主張を組み立ててセクハラ被害者にとって最善の解決を目指します。
ご自身で訴えた場合に比べて慰謝料が増額できる可能性は十分あるといえます。
セクハラを訴える際にかかる費用
セクハラを訴える際には費用がかかります。
具体的に裁判を提起した場合と労働審判を申し立てた場合、それぞれに生じる費用は次のとおりになります。
【裁判】
- 申立手数料(収入印紙)・・・請求額によって異なります。
具体的には次表のとおりです。
請求額 手数料額 100万円以内 訴訟額10万円ごとに+1000円 100~500万円 1万円と訴訟額20万円ごとに+1000円 500~1000万円 3万円と訴訟額50万円ごとに+2000円 1000万~10億円 5万円と訴訟額100万円ごとに+3000円
- 予納郵券・・・裁判所によって異なりますが、約5000~6000円程度
- その他の実費(会社の商業登記簿謄本、裁判所までの交通費など)
【労働審判】
- 申立手数料(収入印紙)・・・請求額によって異なります。
具体的には次表のとおりです。
請求額 手数料額 100万円以内 訴訟額10万円ごとに+500円 100~500万円 5000円と訴訟額20万円ごとに+500円 500~1000万円 1万5000円と訴訟額50万円ごとに+1000円 1000万~10億円 2万5000円と訴訟額100万円ごとに+1200円
- 予納郵券・・・裁判所によって異なりますが、約2000~4000円程度
- その他の実費(会社の商業登記簿謄本、裁判所までの交通費など)
そのほか、裁判や労働審判を弁護士に委任した場合は弁護士費用がかかります。
弁護士費用の内訳は相談料、着手金、成功報酬、実費などになります。
具体的な金額は、事案の内容や依頼する弁護士などによって異なります。
セクハラを訴えるときにかかる費用については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
セクハラ問題にかかる弁護士費用については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
【注意】セクハラの慰謝料請求には時効がある
セクハラの責任を追及する方法には、セクハラ加害者に対して不法行為の責任を追及する方法と、会社に対して不法行為責任を追及する方法と安全配慮義務違反を理由とする債務不履行責任を追及する方法があります。
なお、安全配慮義務違反は不法行為責任と構成することも可能です。
それぞれの方法によって、次表のとおりに時効は定められています。
慰謝料請求の相手 | 根拠 | 時効 |
---|---|---|
加害者 | 不法行為 |
|
会社 | 不法行為責任 |
|
会社 | 債務不履行責任(安全配慮義務違反) |
|
セクハラ被害者は、「自分が我慢すればいつかセクハラは無くなるはずだ」とか「誰にも知られたくない」という心理状態になりやすいので、セクハラ被害を受けた直後に裁判の提起や労働審判の申立てをするのが難しいのはやむを得ません。
しかし、上表のとおり時効がありますので、時効を念頭に置いて、法的措置を検討する必要があります。
セクハラ被害で訴えたいとお考えなら、法律の専門家である弁護士にご相談下さい。
セクハラ問題のなかには、話し合いで解決できるものもあります。
しかし、行為者や事業主がセクハラを全面的に否定している場合等、裁判や労働審判を起こさなければ解決できないケースもあります。
セクハラ問題を抱えて、セクハラ加害者や会社を訴えたいと考えているなら、まずは弁護士にご相談ください。
裁判や労働審判は、法律の専門的知識が必要になります。
よって、法律の専門家である弁護士のサポートを受けながら、証拠収集をはじめとする万全な事前準備を行うことで、有利な解決へと繋がります。
弁護士法人ALGは、セクハラ問題を多数解決してきた実績があります。
過去の裁判例や培った経験やノウハウを活かして最大限に尽力いたします。
まずはお気軽に弁護士法人ALGにお問合せください。
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