相続放棄をしたら債権者への通知義務はある?正しい対応方法を解説
相続放棄は、亡くなった方に多額の借金がある場合によく選ばれる手続きです。
借金などの負債を請求できる立場にあるのが債権者ですが、法律上、相続放棄したことを債権者に知らせる義務はありません。
しかし、何もせずに放置していると、債権者がその事実を知らずに請求を続ける可能性があります。
こうしたトラブルを防ぐためには、正しい対応が必要です。
この記事では、債権者から請求が来たときにどう対処すべきかについて解説します。
相続放棄をしたら債権者への通知義務はある?
法律上、相続放棄したことを債権者に知らせる義務はありません。家庭裁判所で相続放棄が認められると、その人は最初から相続人ではなかったとみなされ、借金を引き継ぐこともなく、債権者との法的な関係も消滅するからです。
しかし、実際には債権者がその事実を知らず、請求を続けるケースは少なくありません。このまま放置しておくと、請求が止まらず、放棄者の精神的な負担になります。
そのため、請求を止めるために、相続放棄申述受理通知書などのコピーを債権者に送って、相続放棄したことを知らせるのが一般的です。
相続放棄をする際の債権者への通知例文
債権者に相続放棄を知らせるとき、法律で決まった形式はありません。
ただし、一般的には「相続放棄申述受理通知書」のコピーを送る方法がよく使われています。
この書類を送ることで、債権者からの請求が止まり、無駄なやり取りを避けることが可能です。
参考までに、債権者へ送る相続放棄通知書の文例をご紹介します。
相続放棄通知書
令和7年10月10日
株式会社○○ 債権管理課 御中
私は、被相続人○○の相続人○○と申します。
被相続人は令和7年8月31日に死亡しました。私は、相続に関して家庭裁判所へ相続放棄の申述を行い、同年10月1日に受理されました。事件番号は以下のとおりです。
東京家庭裁判所 令和7年(家)第○○○号
この相続放棄により、私は被相続人の債権および債務に関して一切の責任を負わないことになります。添付書類として、家庭裁判所による「相続放棄申述受理通知書」の写しを同封いたしますので、ご確認ください。
住所:東京都○○区○○
氏名:○○(被相続人の配偶者)
添付書類:相続放棄申述受理通知書の写し
相続放棄後に債権者から請求がきた場合の対処法
相続放棄をした後に、被相続人の借金について債権者から請求が来ても、支払う義務はありません。
もし請求を受けた場合は、次のように対応しましょう。
- 相続放棄したことを伝える
- 相続放棄申述受理通知書を提示する
- 取り立てが続く場合は弁護士に相談する
相続放棄したことを伝える
家庭裁判所で相続放棄の申述が受理されたとしても、その情報が自動的に債権者へ伝わるわけではありません。
そのため、被相続人に借金があった場合、債権者が相続放棄の事実を知らずに請求を続けるケースは珍しくありません。
法律上、相続放棄をした相続人には支払い義務はありませんが、債権者が誤って請求してくることはあり得ます。
こうした場合、まずは落ち着いて「相続放棄をしたこと」を債権者に伝えるのが大切です。
電話や書面で簡潔に、家庭裁判所で相続放棄が受理された旨を知らせましょう。
相続放棄申述受理通知書を提示する
債権者から「相続放棄をした証拠を見せてほしい」と言われた場合は、家庭裁判所が発行する「相続放棄申述受理通知書」のコピーを提示しましょう。
送付方法は郵送でもFAXでも問題ありません。
この通知書は、相続放棄が正式に受理されたことを証明する書類で、手続き完了後に家庭裁判所から届きます。
注意点として、相続放棄申述受理通知書は再発行できないため、必ずコピーを提出してください。
もし通知書が手元にない場合でも、相続放棄を申し立てた家庭裁判所に申請すれば「相続放棄申述受理証明書」を発行してもらえます。
手数料は1通150円で、郵送で請求する場合は返信用封筒と切手が必要です。
これらの書類は裁判所が発行する公的な証明書なので、債権者も信用し、請求を取り下げる可能性が高いでしょう。
取り立てが続く場合は弁護士に相談する
相続放棄した証明書を提示しても、取り立てが続く場合は、弁護士への相談がおすすめです。
弁護士は債権者に連絡し、法的な根拠を示して「もう支払う必要がない」ことを明確に説明してくれます。
さらに、債権者とのやり取りはすべて弁護士が対応するため、直接の連絡や督促から解放され、精神的な負担も軽減できるでしょう。
もし違法な取り立てや脅迫があった場合には、刑事告訴などの法的手段を取ることも可能です。
相続放棄後も請求が止まらないときは、早めに弁護士に相談しましょう。
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相続放棄前に債権者から請求がきたらどうする?
相続放棄前に債権者から督促が届く場合、まずは慌てず冷静に対応することが大切です。
相続放棄を考えているのであれば、債権者に「相続放棄の手続きを進めています」と簡潔に伝えましょう。詳しい理由を説明する必要はありません。ほとんどの場合、この一言で請求がストップします。
そして、相続放棄の手続きが完了したら、家庭裁判所から発行される「相続放棄申述受理通知書」を債権者に提示し、正式に相続放棄が認められたことを証明しましょう。
相続放棄後の債権者対応に関する注意点
借金を1円でも支払うと単純承認とみなされる
相続放棄を考えている場合、被相続人の借金を絶対に支払ってはいけません。
たとえ1円でも支払ってしまうと、「単純承認した」とみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があります。
単純承認とは、被相続人の財産と借金をすべて相続することを意味します。自分のお金から借金を支払えば単純承認にはなりませんが、相続財産から支払ったと疑われるリスクがあり、支払ったお金は基本的に戻りません。
このルールは、相続放棄の手続き前だけでなく、放棄後にも適用されます。相続放棄後に請求が来て支払ってしまうと、単純承認とみなされる可能性があるためご注意ください。
相続放棄ができなくなる単純承認事由について詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください。
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債権者から相続放棄の無効を主張される場合がある
相続放棄をしていても、債権者がその放棄は無効だと主張して、裁判を起こすケースがあります。
裁判所から訴状が届いたら放置せず、すぐに弁護士へ相談してください。裁判で相続放棄が無効と判断されると、被相続人の借金をすべて支払う義務が生じ、支払わなければ給与や不動産などを差し押さえられるリスクがあります。
裁判でポイントとなるのは相続放棄が法律上の要件を満たしているかどうかです。
自身の放棄が有効であることを証拠とともにしっかり主張する必要があります。
弁護士に依頼すれば、答弁書の作成や裁判対応を任せられ、専門知識を活かした反論や証拠提出により有効性を主張できます。
相続放棄後の債権者対応でお悩みの際は弁護士法人ALGへご相談ください!
家庭裁判所で相続放棄が受理されても、その情報は自動的に債権者へ伝わらないため、借金の請求が止まらないケースが多く見られます。さらに、対応を誤ると単純承認とみなされ、相続放棄が無効になるおそれもあります。
こうしたリスクを避けるためには、専門知識を持つ弁護士によるサポートが欠かせません。
弁護士法人ALGでは、相続放棄の手続きから債権者対応までを一括でサポートします。
弁護士が受任通知を送ることで、債権者からの連絡はストップし、ご依頼者の精神的負担を大幅に軽減できます。
「相続放棄をしたのに請求が止まらない」「債権者への対応が不安」という方は、相続問題に強い弁護士法人ALGへぜひご相談ください。
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保有資格 弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)




