2025.9.4
2025年6月における法律アップデート
投資委員会(BOI)による奨励事業リストの改訂、代替エネルギーの導入における能率向上のための恩典措置の改正、日本を原産地とする物品に係る関税の減免措置
Topic 1 最新法律アップデート
官報に掲載された最新のビジネス関連法律は、以下の通りです。
所轄官庁 | 題名 | 通達日 | 適用日 | |
---|---|---|---|---|
1 | 財務省 | 所得税及び付加価値税に関する財務省通達(第843号) 主題:公益機関、団体、診療所及び教育機関として、「(1042)Baan Sutthawat Foundation」を追加 |
2025年4月25日 | 2025年度の課税所得又は2025年4月のVAT課税標準を対象 |
2 | 財務省 | 所得税及び付加価値税に関する財務省通達(第844号) 主題:公益機関、団体、診療所及び教育機関として、「(1043) Federation of Organic Agriculture Foundation under the Royal Patronage of Her Royal Highness Princess Maha Chakri Sirindhorn (F.O.A.F.)」を追加 |
2025年4月25日 | 2025年度の課税所得又は2025年4月のVAT課税標準を対象 |
3 | 財務省 | 仏歴2568(2025)年免税に関して規定する歳入法典に基づく勅令(第796号) 主題:新世代農業及び市場アクセスによる大規模強化プロジェクトに基づき政府より支援金として取得した所得を対象とする会社又は法人格を有する組合に対する所得税の免除措置 |
2025年5月25日 | 2025年5月27日 |
4 | 財務省 | 仏歴2568(2025)年免税に関して規定する歳入法典に基づく勅令(第797号) 主題:特別経済区域における投資奨励による税務措置 |
2025年6月2日 | 2025年6月5日 |
5 | 財務省 | 所得税及び付加価値税に関する財務省通達(第844号) 主題:公益機関、団体、診療所及び教育機関「(37)Field Marshal P. Pibulsongkram Foundation」を、次に変更 「(37)Field Marshal P.Pibulsongkram Foundation” to “(37) Field Marshal P.and Thanpuying Laleat Pibulsongkram Foundation」 |
2025年5月13日 | 2025年8月15日 |
6 | 財務省 | 所得税に関する歳入局長通達(第458号) 主題:タイESGファンドに対する投資を対象とした所得税免除のための基準、手続き及び条件について |
2025年6月24日 | 2023年11月21日 |
7 | 投資委員会(BOI) | 投資委員会通達第ソー5/2568号 主題:投資委員会通達第9/2565号に基づく投資奨励事業の業種一覧の改正 |
2025年6月5日 | 2025年6月5日 |
8 | 投資委員会(BOI) | 投資委員会事務局通達第ポー8/2568 主題:第25条及び第26条に基づく外国人人材の職位の認可、認可された職位への外国人の雇用の認可及び職位及び就労者の期間延長について |
2025年6月5日 | 2025年6月5日 |
9 | 投資委員会(BOI) | 投資委員会通達第3/2568号 主題:投資委員会通達第14/2565号に基づく代替エネルギーの導入による能率更新措置の内容の改正 |
2025年6月5日 | 2025年6月5日 |
10 | 投資委員会(BOI) | 投資委員会通達第4/2568号 主題:投資委員会通達第8/2565号の改正 |
2025年6月5日 | 2025年6月5日 |
11 | 投資委員会(BOI) | 投資委員会通達第5/2568号 主題:投資委員会通達第15/2565号に基づく代替エネルギーの導入による能率更新措置の内容の改正 |
2025年6月5日 | 2025年6月5日 |
12 | 投資委員会(BOI) | 投資委員会命令第1/2568号 主題:投資委員会命令第2/2566号の改正 |
2025年6月5日 | 2025年6月5日 |
13 | 投資委員会(BOI) | 投資委員会通達第ソー6/2568号 主題:第2級観光地区への旅行業に関する投資奨励措置 |
2025年6月5日 | 2025年6月5日 |
14 | 関税局 | 関税局通達 主題:日本を原産地とする物品に対する関税の減免について(第2号) |
2025年5月30日 | 2025年5月30日 |
15 | 関税局 | 関税局通達 主題:日本を原産地とする物品に対する関税の減免に関する基準及び手続について |
2025年5月30日 | 2025年5月30日 |
16 | 関税局 | 関税局通達第16/2565号 主題:電磁的手段による越境に関する通関手続きについて(第3号) |
2025年6月9日 | 2025年6月9日 |
17 | 関税局 | 関税局通達 主題:アセアン-オーストラリア-ニュージーランド自由貿易協定に基づく関税の減免について |
2025年6月18日 | 2025年10月1日 |
18 | 入国管理局 | 入国管理局命令第106/2568号 主題:タイを入出国する外国人の電磁的方法による申告(TM.6Form)方法について |
2025年5月22日 | 2025年5月1日 |
19 | エネルギー省 | エネルギー省通達 主題:パイプラインによる天然ガス送管装置の試験、検査及び整備について |
2025年4月18日 | 2025年4月19日 |
20 | エネルギー省 | エネルギー省通達 主題:陸上における天然ガス送管パイプライン装置プロジェクトに基づく環境及び業務報告書の作成について |
2025年4月18日 | 2025年4月19日 |
21 | エネルギー省 | エネルギー省通達 主題:パイプラインによる天然ガス送管装置を永久に廃止に関する手続き及び原状復帰計画書の作成に関する基準及び手続きについて |
2025年4月18日 | 2025年4月19日 |
※調査対象は、歳入局、投資委員会(BOI)、関税局、財務省、タイ工業団地公団(IEAT)、入国管理局、労働省、労働福祉保護委員会、商務省、国防省、農業・協同組合省、運輸省、天然資源・環境省、エネルギー省、工業省、内務省(ビジネス関連のみ)、タイ中銀、デジタル経済社会省を範囲としております。
Topic 2 トピックス・ニュース
1.投資委員会(BOI)による奨励事業リストの改訂(投資委員会通達第ソー5/2568号)
投資委員会は、投資奨励事業リストを改正しました、その目的及び内容は以下の通りです。
- 1)国家開発のために重要な産業への投資奨励を目指しており、特にタイ国の経済に対して付加価値をもたらす事業に集中する。
- 2)製造における効率の向上及び近代化を図るために、製造業における新世代の技術の奨励
- 3)タイにおける輸出目的の製造が国際水準を満たし、且つ国家に対して最高な利益をもたらすためのサプライチェーンの強化
- 4)特に急速な成長が進む新たなビジネスモデルにおけるデータセンター事業の拡大の対応
- 5)タイをアセアン区域におけるデジタルハブ化することの促進
改正された業種は、以下の通りです。
- 1)第3類機械及び自動車産業
- 2)第4類電気及び電子製品産業
- 3)第5類金属及び資材産業
- 4)第7類公共事業
- 5)第8類デジタル産業
- 6)第9類クリエイティブ産業
投資奨励が中止される業種
第5.4.10メタルカッティング事業
本改正措置は、2025年7月1日以降の投資奨励申請を対象として適用する。
2.代替エネルギーの導入における能率向上のための恩典措置の改正(投資委員会通達第3/2568号)
投資委員会は、代替エネルギーの導入による投資奨励措置の内容をより適切するために、同恩典を改正しました。その内容は、主に太陽光発電装置の取付けに関する投資奨励措置を中止するもので、以下の通りとなります。
旧 | 新 |
---|---|
事務局の定める割合に比例して代替エネルギーの導入をするための機械更新の投資をしなければならない | 事務局の定める割合に比例して代替エネルギーの導入(太陽光発電装置の設置を除く)をするための機械更新の投資をしなければならない |
本改正措置は、2025年7月1日以降の投資奨励申請を対象として適用する。
3.特別経済開発区域における投資奨励を目的とした税務措置
歳入局は、特別経済区域に事業場を有する法人に対して所得税の免除することを目的として、仏歴2568(2025)年所得税の減税に関して規定する歳入法典に基づく勅令(第797号)を発布しました。同勅令の内容の要旨は、以下の通りです。
税務上の恩典
特別経済区域における、製品の製造による収入又は当該区域における役務の提供及び利用による収入のみを対象として、会社又は法人格を有する組合に対して所得税を10会計期間にわたって所得の10%に減額する。
同減税措置を受けるには、以下の資格を満たしていることが求められる。
- 1)特別経済区域における会社又は法人格を有する組合としての恩典を行使する旨を届け出ていること。
- 2)特別経済区域に事業場を有している。
- 3)投資奨励事業による法人税免除恩典を行使していないこと。
- 4)勅令第530号第6条又は第7条に定める減税恩典を行使していないこと。
- 5)勅令第591号第4条又は勅令第693号第4条に定める減税恩典を行使していないこと。
- 6)税務恩典が認められない事業と特別経済区域における減税恩典が認められない事業の帳簿を分別して経理を作成すること。
本勅令は、2025年6月3日から適用する。
4.日本を原産地とする物品に係る関税の減免措置
タイ財務省は、日タイ経済連携協定(J-TEPA)を遵守するために、財務省通達(第2号)を発布しました。その内容の要旨は、以下の通りです。
日タイ経済連携協定(J-TEPA)に基づき、日本を原産地とする物品の関税を減免する。
- 1)自動車の組み立てを目的として自動車製造者が輸入した関税率表1に基づく物品の場合、以下の証拠を有していなければならない。
-原産地証明書(Certificate of Origin又はCO):電子ファイル又は紙面の文書であるかは問わない。
-タイ工業省から発行された日タイ経済連携協定(J-TEPA)基づく免税恩典の取得証明書 - 2)関税率表第2に基づく物品の場合、以下の証拠を有していなければならない。
-原産地証明書(Certificate of Origin又はCO):電子ファイル又は紙面の文書であるかは問わない。
-タイ工業省から発行された日タイ経済連携協定(J-TEPA)基づく免税恩典の取得証明書 - 3)CIF価格が、200米ドル以内の物品については、原産地証明書は不要であるが、その際は関税局に対して関税の減免申請書を提出しなければならない。
本通達は、2025年6月2日より適用する。