ニューズレター

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2025.11.12

2025年8月における法律アップデート
労働者援護基金制度の適用時期の延期、自動車部品製造業への投資奨励措置、BOI 投資奨励事業を営む外国法人に対する土地所有許可に関する規定の改正

Topic 1 最新法律アップデート

官報に掲載された最新のビジネス関連法律は、以下の通りです。

所轄官庁 題名 通達日 適用日
1 財務省 所得税及び付加価値税に関する財務省通達(第848号)
主題:歳入法典第47条(7)(b)及び仏歴2534(1991)年付加価値税に関する勅令(第239号)第3条(4)(b)に規定する機関、公益機関、診療所及び教育機関について。
2025年7月14日 2025年度の課税所得又は2025年7月のVAT課税標準を対象
2 財務省 所得税及び付加価値税に関する財務省通達(第849号)
主題:歳入法典第47条(7)(b)及び仏歴2534(1991)年付加価値税に関する勅令(第239号)第3条(4)(b)に規定する機関、公益機関、診療所及び教育機関について。
2025年7月24日 2025年度の課税所得又は2025年7月のVAT課税標準を対象
3 財務省 歳入局長通達(第55号)
主題:電子寄付システムを介した知識管理開発局への寄付を対象とする所得税、付加価値税、特定事業税及び印紙税の免除に関する基準、手続き及び条件について
2025年7月29日 2025年1月1日
4 財務省 歳入局通達(第72号)
主題:仏歴2567(2024)年政府機関内部における福利厚生の確保に関する首相庁通達及び所得税に関する歳入局長通達(第424号)(主題:政府機関内部における福利厚生基金に対する寄付を対象とする所得税及び付加価値税の免除に関する基準、手続き及び条件)に基づき設置された政府機関内部における福利厚生基金について。
2025年7月29日 2025年1月1日以降に本通達に基づいて通達された政府機関内部における福利厚生基金に対する寄付を対象に適用
5 投資委員会(BOI) 投資委員会事務局通達第ポー9/2568号
主題:投資奨励証書を受けた外国法人の事務所用及び奨励事業に従事する作業員の住居目的での土地所有許可に関する基準、手続き及び条件について。
2025年7月18日 2025年7月18日
6 投資委員会(BOI) 投資委員会通達第6/2568号
主題:タイ国産の電気自動車及び電化製品用部品使用推奨措置
2025年7月22日 2025年7月22日
7 投資委員会(BOI) 投資委員会通達第7/2568号
主題:投資委員会通達第8/2565号の改正
2025年7月22日 2025年7月22日
8 投資委員会(BOI) 投資委員会通達第ソー7/2568号
主題:投資委員会通達第9/2565号における投資奨励対象業種リストの改正
2025年7月22日 2025年7月22日
9 関税局 関税局通達第130/2568号
主題:AEO認定事業者の事業を対象とする条約にに基づく相互承認協定
2025年7月24日 2025年8月1日
10 労働省 労働省通達
主題:2025年7月8日付閣議決定に基づくミャンマー国籍の外国人に対する特別就労許可について
2025年7月24日 2025年7月15日
11 労働省 労働省通達
主題:2025年7月22日付閣議決定に基づく第64条に定める就労を許可されたカンボジア国籍の外国人の特別就労許可について
2025年7月30日 2025年6月7日
12 タイ中央銀行 タイ中央銀行通達
主題:タイ中央銀行における財務状況、準備金、及び紙幣業務週報
2025年7月25日 2025年7月25日

※調査対象は、歳入局、投資委員会(BOI)、関税局、財務省、タイ工業団地公団(IEAT)、入国管理局、労働省、労働福祉保護委員会、商務省、国防省、農業・協同組合省、運輸省、天然資源・環境省、エネルギー省、工業省、内務省(ビジネス関連のみ)、タイ中銀、デジタル経済社会省を範囲としております。

Topic 2 トピックス・ニュース

1.労働者援護基金制度の適用時期の延期

本ニュースレター2025年1月号にて紹介いたしましたタイ労働者援護基金制度について、当初は2025年10月1日から適用とされていましたが、この度、1年延期となり、2026年10月1日より開始となりましたので、再度掲載させていただきます。

当局によれば、延期理由としては、米国の通商税引き上げ、最低賃金の引上げ、終結の目途が立たない近隣諸国との紛争などの要因による不確実な経済状況に起因して、事業者が影響を受けていることや、競争が激化している現状が挙げられ、これによって労使双方が負担増に直面しているため、雇用の維持と不確実な経済状況による財政上の負担軽減を図るために本基金の適用時期の延期が必要と思料するに至ったようです。

尚、拠出金及び積立金の料率に変更はなく、適用日の延期に伴い、それぞれの適用時期が 1 年延期したのみです。
つまり、

  • 最初の5年間:(2026年10月1日~2031年9月30日):労働者及び雇用者双方が賃金の0.25%を拠出。
  • 2031年10月1日以降:労働者・使用者双方が賃金の0.5%を拠出。
    そのほかに、拠出金及び積立金の徴収に関して、基準や手続きについては変更はない。
    労働者援護基金委員会は本件延期について、これを承認しています。
2.自動車部品製造業への投資奨励措置

投資委員会は、投資奨励業種カテゴリー第3.5号における自動車部品製造業の投資奨励措置の内容について、明確化を図るために本通達を発布しました。

  • 奨励対象の製品
  • 鉛蓄電池(Lead₋AcidBattery)は、投資奨励の対象外である。
  • 自動車部品製造業に対する投資奨励は、各業種に定める主要な構成部品を対象とする。
  • 投資奨励の対象事業は、以下の通りである。
カテゴリー 投資奨励対象の製品
3.5.7トランスミッション
システム部品(Transmission System Parts)
Gear,Transfer Case,Torque Converter,Carrier,Shaft,Joint,Transmission Case,Differential及びDifferential、CVT Ball Screwの構成部品、さらにその他Steel Beltなどの同等の重要性を持つ主要部品
3.5.8ブレーキシステム製造(Brake System Parts) Brake Booster又はBrake Booster Motor,Brake Caliper,Brake Master Cylinder,Brake Wheel Cylinder,Wheel Hub,Brake pipe/Tube,Brake Set/Pad,Brake Drum及びその他Brake Discなどの同等の重要性を持つ部品及びCable,Motor,Switch,及びHand Brake Leverなどのパーキングブレーキに関わる主要部品
3.5.9サスペンション
システム部品の製造(Suspension System Parts)
Shock Absorber,Ball Joint,Leaf/Coil Spring,Tie Rod End,Stabilizer BarLink,Control Arm,Strut Assembly及びその他Air Suspensionや、Strut Barなどの同等の重要性を持つ主要部品
3.5.10ステアリング
システム部品(Steering System Parts)
Power Steering Pump/Motor,Rack and Pinion Steering,Steering Column及びSteering Shaft Assy,Steering Column Assy,Loaded Knuckle AssemblyなどといったSteering Columnを構成する部品、並びにその他同等の重要性を持つ主要部品
3.5.12排気装置部品(Exhaust System Parts) Catalytic Converter,Exhaust Catalyst Manifold及びその他Muffler,Exhaust Flex Pipe,Diesel Particulate Filter並びにSelective Catalytic Reductionなどの同等の重要性を持つ主要部品
3.5.17その他の
自動車部品の製造
カテゴリー第3.5.1~3.5.17に定める以外の自動車部品及び/又は事業の条件及び/又は製造工程がその業種に定める条件に準拠していないもの

  • a. 自動車の各システムにおけるその他同等の重要性を有する構成部品については、各事業において定める部品と同等の機能を持つことを、論理的及び技術的に説明しなければならない。
  • b. 業種3.5.17に定めるその他自動車部品の製造において、部品、構成部分、付属品、装飾品及び一つ又は複数で構成される自動車用品の製造に対しては奨励恩典の対象外である。例えば、部品の副部分又は各システムの構成部分で、他の産業にも使用できるもの。工場で製造/組み立てされる自動車の一部ではないもの。自動車産業におけるサプライチェーン又は産業構造に該当しないもの。運転における性能及び安全に影響しないもの。取付け又は使用が恒久的ではなく、容易に取り外しができるもの。専ら外見又は自動車所有者の満足及び便宜に重点を置いているもの。
  • c. 製造工程の審査における指針。
    • 機械加工(Machining)及び/又は組み立て(Assembling)及び又は溶接(Welding)などの行程が含まれた成形などの重要な製造工程を有しており、これらは簡易的な製造工程ではないこと。
    • 成形(Forming)の場合
      原材料が製品に加工又は鋳造(Casting)、鍛造(Forging)、プレス加工(Stamping)、射出成型(Injection)、ブロー成型、圧縮(Compression)、押出成形(Extrusion)、成形(Forming)、曲げ加工(Bending)及びコイリング加工などの行程を介して要求に基づき、原形と異なる形として加工されたもの。
    • 組立の場合(Assembling)
      2個以上の原材料又は部品から組立又は溶接されたものをいい、工具又は人力のよるものではなく、適切な技術による機械又は装置を介して組み立てられていること。
3.投資奨励事業を営む外国法人に対する土地所有許可に関する規定の改正(投資委員会通達第ポー9/2568号)

本通達は、投資奨励事業の事務所及び同事業で勤務に従事するオペレーティングレベルの従業員の住居として使用することを目的とした外国法人に対する土地所有許可における基準及び条件を定める投資委員会事務局通達第ポー2567号を改正する目的で発布されました。
改正の内容は、本件土地所有許可の条件の一部変更及び、電子システムによる許可申請条項の追加であり、以下の通りです。

  • 1) 土地所有許可の条件

3.2項

改正前 改正後
住居は、投資奨励事業の勤務に従事するオペレーティングレベルの作業員居住に供するための建物であり、適切な割合の面積を有していなければならない。 住居は、投資奨励事業の勤務に従事するオペレーティングレベルの作業員居住に供するための建物であり、適切な割合の面積を有していなければならない。尚、本住居は、分譲住宅、コンドミニアムの一部又は家屋、タウンハウスなどの特徴を有する建物であってはならない。
  • 2)電子システムによる許可申請条項
    •   第8項 事務所又は住居とすることを目的とした土地所有許可申請は、以下によって行うものとする。
    •   8.1 投資奨励事業者は、土地所有及び利用許可システム(e-Land)を通じて、申請書及び事務局の定める必要書類を提出しなければならない。
    •   8.2 事務局は、システム上での受理前に申請書及び必要書類の正確性を確認のうえ、書類が正しい場合は、システム上で受理した旨を通知する。書類に不備がある場合、事務局は追加で提出すべき書類の一覧をシステム上で通知する。その際、電子データの提出日から7日以内にシステム上で修正することができる。当該期限以内に修正又は修正が完全とならない場合は、申請は拒否され、システムから申請データが削除される。
    •   8.3 事務局は、審査結果を郵便で通知するものとする。
  • 1)適用日:2025年7月18日

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