面会交流の取り決めを弁護士に依頼するメリットや選び方・費用など

面会交流を要求する側の親と要求される側の親とでは、それぞれの立場はかなり違うものとなるでしょう。
親子の面会交流は複雑な問題が多く、当事者間で揉めてしまうことも多々あり、個人間の交渉には限界があります。
しかし、交渉が進まないまま子供と会えない日々が続いているうちに、子供は成長していきます。子供の成長を見逃さないためにも、面会交流を早期に充実させることが望ましいでしょう。
この記事では、面会交流を弁護士に依頼した場合のメリットや、弁護士の探し方などについて解説していきます。
目次
面会交流について弁護士に相談すべきケース
面会交流は両親の間で争いが起きやすく、両親の関係が悪い場合、スムーズに行われないこともあります。
具体的に、以下のようなトラブルが発生している場合は、面会交流をスムーズに行うためにも弁護士に相談すべきケースといえるでしょう。
- 面会交流をする・しないの話し合いで揉めている
- 面会交流の条件で揉めている
- 面会交流調停の申立てを検討している
- 面会交流調停を申し立てられた
- 面会交流の約束が破られ、子供に会わせてもらえない
このようなトラブルが発生している場合は、当事者間での解決は極めて難しい状態です。円滑な面会交流のためにも、弁護士に依頼しましょう。
面会交流について弁護士に依頼するメリット
子供との面会交流を充実させるためには、弁護士のサポートが役立ちます。
面会交流について弁護士に依頼するメリットには、以下のようなものがあります。
- 面会交流の交渉を任せられる
- 面会交流の適切な主張や判断ができる
- 公正証書などの書面を作成してもらうことができる
- 調停など裁判所での手続きをサポートしてもらえる
①面会交流の交渉を任せられる
夫婦は何らかの原因があって離婚することがほとんどです。離婚後はなるべく相手と関りを持ちたくないと考え、面会交流について揉めてしまうケースが多くあります。
子供の親権(監護権)を持つ親は、「子供を不仲な相手に会わせたくない」「面会時に相手と会いたくない」などの理由から面会交流を拒否する可能性があります。
こうしたケースでは、当事者間の話し合いでは解決が難しいでしょう。
その点、弁護士へ依頼することで、代理人として相手方と面会交流の条件に関する交渉を行うことができます。
弁護士を介して交渉することで、話し合いがスムーズに進むことが期待できるほか、相手方と顔を合わせる必要がないため、依頼者の精神的負担が軽減するでしょう。
②面会交流の適切な主張や判断ができる
面会交流は、子供と別居している親が定期的に子供と交流を持つことで、子供が両親どちらからも愛されていると自己肯定感を高めることができ、子供の健やかな成長のために必要な機会です。
弁護士に依頼すれば、子供の利益を最優先に考慮した上で、面会交流の有無や条件などにつき、法的な観点から適正な水準を判断することができます。
③公正証書などの書面を作成してもらうことができる
面会交流の条件などについて両親の間で合意ができたら、その内容を書面に残しておくことが重要です。
このとき公正証書として残しておくことをおすすめします。
公正証書は公証人がその権限に基づいて作成する公文書であり、両親の間で合意した内容を公的に証明するものとなります。
弁護士に依頼すれば、面会交流に関する合意内容を記載した書面作成を任せることができます。そのため、法的に適切な公正証書となり、後にトラブルに発展することを防ぐことが期待できます。
④調停などの裁判所での手続きをサポートしてもらえる
両親の間で面会交流について話がまとまらない場合は、家庭裁判所に面会交流調停を申し立てることになります。
一般の方では、家庭裁判所の手続きをしたことがない方が大半であり、不慣れな手続きをしなければならないことは精神的に大きな負担でしょう。
弁護士に依頼すれば、調停や審判などの家庭裁判所の手続きの対応を任せることができます。
煩雑なルールがある法的手続きへの対応も、弁護士であればスムーズに進められます。
面会交流に強い弁護士の選び方
弁護士にも得意・不得意な分野がありますので、面会交流を弁護士に依頼する際は、「面会交流に強い弁護士」に依頼することが大切です。
面会交流に強い弁護士を選ぶポイントには、以下のようなものがあります。
- ホームページに面会交流についての解決実績が掲載されている
- ホームページに面会交流についてのコラムが掲載されている
また、それだけでなく、弁護士を選ぶ際は以下の点も注意しましょう。
- 専門用語を使用せず、分かりやすく説明してくれるか
- 自分との相性は良さそうか
- 費用は高額ではないか
ご自身と相性が悪い弁護士を選んでしまうと、方針に相違が生まれたり、聞きたいことを聞けなくなってしまうなど、弁護士に依頼したことを後悔してしまう可能性もあります。
複数の弁護士事務所で法律相談を行い、相性の良さや費用、弁護士が面会交流に強いかなどを見極めることが大切です。
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面会交流の弁護士費用はいくら?
面会交流について弁護士に依頼した際は、弁護士費用が発生します。
着手金 | ・交渉・調停:22万円~55万円 ・裁判:33万円~66万円 |
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報酬金 | ・交渉・調停:22万円~55万円 ・裁判:33万円~66万円 |
日当 | ・半日:3万~5万円 ・1日:5万~10万円 |
実費 | 案件処理の過程で費用を支出した実費相当額 |
基本的には、弁護士依頼時に着手金を支払い、事案終了時(解決時)にその他の費用を支払います。
なかには、費用負担を軽くするため、着手金を事案終了時に支払ったり、分割払にできたりする弁護士事務所もあるようです。
費用をどのように払うかについても、無料相談時に聞いておくと安心でしょう。
面会交流について弁護士に無料相談する方法3つ
子供と定期的に会いたいと思うのは当然です。しかし、弁護士への相談は敷居が高いと考える方も多いです。
以下の方法によって、弁護士への相談を無料で行うことができます。ぜひご検討ください。
- 弁護士事務所の無料相談を活用する
- 法テラスの無料相談を活用する
- 自治体の法律相談会に参加する
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
①弁護士事務所の無料相談を利用する
弁護士事務所では、初回の相談を無料としているところも多くあります。
まずは相談したい弁護士事務所を探し、ホームページを確認したり、実際に問い合わせてみましょう。
無料相談についてのポイント
- 無料相談は1回30分~1時間
- 離婚に詳しい弁護士が担当してくれることが多い
- 相談は基本的に事前の予約が必要
- オンライン相談ができる弁護士事務所もある
- 相談したからといって必ず契約しなければならないわけではない
②法テラスの無料相談を利用する
法テラスは国によって設立された法的トラブル解決のための総合案内所です。
法テラスの無料相談は、収入や資産が一定基準以下の方が対象となり、経済的な余裕がない方でも利用しやすい(※基準は家族人数や居住地により異なる)というメリットがあります。
無料相談についてのポイント
- 無料相談は1回30分
- 同一の問題につき、3回まで無料で相談できる
- 回数の範囲内であれば別の弁護士に相談することもできる
- 相談は基本的に事前の予約が必要
③自治体の法律相談会に参加する
市区町村役場では地域住民の方向けに、弁護士による法律無料相談を定期的に実施しているところもあります。
お住いがその地域であれば、誰でも無料で利用することができます。
無料相談についてのポイント
- 役所での無料相談は年に1~2回と制限を設けている自治体が多い
- 無料相談は1回20分~30分程度
- 市役所が窓口となっていて安心感がある
- 弁護士を自分で選ぶことはできない
無料相談をする際のポイント
子供との面会交流を弁護士に相談する際には、以下を念頭において準備を整え、実際の無料相談に臨みましょう。
これまでの経緯を説明できるようにしておく
決められた無料相談の時間の中で、効率的に、具体的なアドバイスをもらうためには、以下の点を整理し、メモにしておくと良いでしょう。
- 離婚の経緯
- 子供と別居する親と子供との関係性
- 現時点における面会交流の実施状況
- 面会交流に関する相手方の意向 など
希望する面会交流の条件を考えておく
弁護士に依頼する際は、どのような方向性で弁護士にサポートしてもらいたいかを明確にすることが大切です。
そのためにも、事前に希望する面会交流の条件を考えておくと良いでしょう。
弁護士費用の見積もりを出してもらう
同じ依頼内容でも、費用は弁護士事務所ごとに異なります。
正式に契約する前に弁護士費用の見積もりを出してもらい、複数の事務所と比べることが大切です。
面会交流を弁護士に相談する場合のQ&A
面会交流調整は弁護士なしでも申し立てられますか?
面会交流調停はご自身でも申し立てることができます。
しかし、調停など家庭裁判所の手続きは法律の知識が必要であり、ご自身だけで手続きを進めるのは難しく、大きな負担となってしまいます。
納得のいく結果を得るためにも、調停の手続きは弁護士にご相談ください。
弁護士に調停を依頼することで、難しい手続きはすべて弁護士に任せることができます。さらに、弁護士は代理人として調停に出席し、主張・立証することができます。
法的に適切な主張をすることで調停委員を味方に付けることができ、納得のいく結果になる可能性が高まります。
面会交流で弁護士の立会いをお願いすることはできますか?
弁護士が面会交流に立ち会ってくれるかは、依頼した弁護士次第でしょう。
弁護士に面会交流の立ち合いを希望される方は、相談時に立ち会いができるか確認しておくと安心です。
また、面会交流への立ち合いは自治体やNPO法人などの第三者機関が支援を行っていることがあります。
特に、NPO法人では、いくつかの機関が面会交流の支援を行っており、その内容は以下のとおりです。
- 面会交流への付き添い
- 子供の受け渡し
- 連絡調節型
特に両親が不仲で連絡を取り合うことが難しい状況であったり、子供が連れ去られてしまうのではないかと不安に思う方は、第三者機関を利用して面会交流を実施する方法も有効でしょう。
離婚後の面会交流に関するお悩みは弁護士にご相談ください
面会交流は、子供の自己肯定感を高め、健やかな成長のために必要な機会です。
しかし、離婚により離れ離れになった親子が面会交流の機会を持てていない事案も現実にはたくさんあります。
子供の健全な育成のためにも、面会交流については弁護士にご相談ください。
私たち弁護士法人ALGには、離婚や面会交流に詳しい弁護士が多数在籍しております。ご相談者様のお悩みを丁寧にヒアリングし、解決できるよう尽力いたします。
弁護士が代理人として相手方と交渉していくことで、スムーズに面会交流が行われる可能性が高まります。また、当事者間での話し合いができず、調停の手続きに移行しても弁護士はあなたの味方です。
調停の手続きをサポートし、代理人として調停委員に法的な観点から主張・立証していきます。
面会交流についてお悩みの方は、まずは一度私たちにご相談ください。
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保有資格 弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)