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離婚届を勝手に出された場合の親権はどうなる?変更方法や予防策など

離婚届を勝手に出された場合の親権はどうなる?変更方法や予防策など

現行法では離婚後は単独親権となるため、父母のどちらが親権者となるのかが決まっていないと離婚することができません。

そのため、離婚すること自体に合意できていても、未成年の子供の親権について揉めてしまうケースが少なくありません。

親権について合意がないにもかかわらず離婚届を無断で出された場合、戸籍上離婚が成立し、勝手に親権者が決められてしまいます。

勝手に離婚届を出されたうえに、望まぬ親権者となった場合、どのような対処法があるのでしょうか。 本ページで、予防策を含めて詳しく解説していきます。

親権の獲得をしたい方は弁護士へご相談ください

離婚届を勝手に出された場合の親権はどうなる?

役所は提出された離婚届に不備がないかの確認はするものの、夫婦双方の離婚意思までは確認しないため、たとえ配偶者に無断で提出した離婚届であっても受理されてしまえば戸籍上離婚が成立し、届出とおりの親権者が定められてしまいます。

離婚届が受理されると、本人確認できなかった当事者へ離婚届を受理したことの通知(=受理通知)が送られるため、そこではじめて勝手に離婚届が提出されたことを知った場合、子供の戸籍謄本を取ることで親権者を確認できます。

この段階では届出とおりの戸籍上の親権者が確定している状態なので、なにもしなければ離婚も親権も有効となってしまいます。

無断で提出された離婚届によって定められた親権に納得できない場合は、早急に裁判所へ無効を訴える必要があります。

なお、2026年までに共同親権に関する法改正が施行される予定で、裁判所に親権変更の申立てをすれば単独親権から共同親権へ変更は可能とされています。
詳しくは以下ページをご参考ください。

離婚届を勝手に出されるケースとは?

離婚届を勝手に出されるケースとして、次のような状況が考えられます。

親権について争っている

現行法では、未成年の子供の親権者を決めないと離婚届は受理されません。

夫婦双方が親権を主張していて話し合いが進まないと、合意していないにもかかわらず勝手に親権者の欄を記入して離婚届を提出してしまうケースがあります。

相手が離婚を急いでいる

話し合いを煩わしく思っていたり、不倫・浮気相手と再婚したいと思っていたりして相手が離婚を急いでいるケースでは、こちらが離婚に消極的だと勝手に離婚届が提出されてしまう可能性があります。

署名済みの離婚届を作成しているケースではとくに注意が必要で、勝手に提出された離婚届が受理されないように対策を講じておきましょう(詳細は後述します)。

離婚届を勝手に出すのは犯罪にならないの?

離婚届を勝手に出すのは犯罪行為です。
そのため、警察へ被害届を提出すると、次のような刑事罰が適用される可能性があります。

有印私文書偽造罪

他人の署名や押印を使用して私文書を偽造する犯罪です。
離婚届の署名・押印を偽造した場合、有印私文書偽造罪に問われる可能性があります。

  • 刑罰:3ヶ月以上5年以下の懲役刑

偽造有印私文書行使罪

偽造・変造された私文書を行使する犯罪です。

偽造した離婚届を役所に提出した場合、偽造有印私文書行使罪に問われる可能性があり、未遂罪も処罰の対象になります。

  • 刑罰:3ヶ月以上5年以下の懲役刑

電磁的公正証書原本不実記載罪

公務員に対して虚偽の申立てをして公正証書の原本またはその電磁的記録に不実の記載をさせる犯罪です。

勝手に離婚届を提出して戸籍に誤った離婚の情報を記録させた場合、電磁的公正証書原本不実記載罪に問われる可能性があります。

  • 刑罰:5年以下の懲役または50万円以下の罰金刑
離婚問題を弁護士に依頼するメリット

勝手に出された離婚届の親権者を変更する方法

親権について合意がないにもかかわらず離婚届が提出・受理されてしまった場合に、離婚はしても親権者に納得できないときは、次のいずれかの方法で親権者の変更を求めることができます。

  1. 親権者指定協議無効確認の訴訟
  2. 親権者変更調停・審判

親権者指定協議無効確認の訴訟

親権者指定協議無効確認の訴訟とは、親権者指定の合意の無効を訴える手続きです。

手続きの方法

親権者について夫婦の協議がまとまらないまま無断で離婚届が提出されたとして、離婚届で指定された親権者の無効を訴えたい方が、必要書類を家庭裁判所へ提出することで訴訟提起することができます。

親権者指定が無効であることの確定判決が得られれば、戸籍は共同親権の状態に戻るので、次のステップとして家庭裁判所に親権者指定の審判(調停)を申し立てて、改めて離婚後の親権者を指定することになります。

注意点

離婚届の親権者指定が無効と判断されても、親権者指定の審判(調停)において親権者が変更されるとは限りません。

また、訴訟が長引いた場合に、その間子供の監護を行っていた側が親権者指定の審判(調停)で有利になる可能性がある点にも注意が必要です。

親権者変更調停・審判

親権者変更調停・審判とは、親権者の変更を求める手続きです。

手続きの方法

勝手に提出された離婚届で指定された親権者の変更を求める方が、家庭裁判所へ必要書類を提出することで調停や審判を申し立てることができます。

注意点

親権者変更調停・審判では、勝手に指定された親権者は有効であることを前提に変更を求める方法なので、時間が経過すればするほど「現在の親権者を追認した」とみなされて不利な立場になる可能性があるので、早急に手続きを進める必要があります。

親権者の変更方法については、以下ページもあわせてご参考ください。

離婚調停は経験豊富な弁護士法人ALGにご依頼ください

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離婚届を勝手に提出されないための「不受理申出」

離婚届を勝手に提出されないための予防策として、離婚届不受理申出という方法があります。

離婚届不受理申出とは、勝手に提出された離婚届が受理されるのを防ぐ制度のことです。

手続きの方法

申出書と本人確認書類を用意して市区町村役場の窓口で手続きを行えば、申出した本人の意思が確認できないかぎり役所で離婚届が受理してもらえなくなります。

不受理申出をすると相手にバレる?

離婚届不受理申出をしただけでは相手にバレることはありません。

相手が勝手に離婚届を提出しようとすると、役所から不受理申出がなされていることを理由に断られて初めて知ることになります。

離婚届を勝手に出された場合や親権の変更をお考えの際は早急に弁護士にご相談ください

勝手に提出された離婚届が受理されてしまうと、親権者を変更するためには調停や訴訟といった裁判所の手続きが必要になり、手間も時間もかかってしまいます。

時間が経過するほど、親権獲得で不利になる可能性も高くなるため、早急に対応しなければなりません。

弁護士法人ALGには、夫婦や親子の問題に精通した弁護士が多く在籍しています。

勝手に指定されてしまった親権者を変更するためにどのような対処法があるのか、親権を獲得するためにどのような対策があるのか、これまでの経験や知識を活かしてアドバイスすることが可能です。

「勝手に離婚届を出されて親権を奪われそう」と不安を抱えていらっしゃる方も、「勝手に指定された親権者を変更したい」とお困りの方も、ぜひお早めに私たちまでご相談ください。

 

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弁護士法人ALG 弁護士 谷川 聖治
監修 :福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates

保有資格 弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)

福岡県弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ名を擁し()、東京、札幌、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、大阪、神戸、姫路、広島、福岡、タイの13拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。